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「朴正煕政権の九老農地強奪事件」被害者、度重なる再審の末に勝訴

登録:2019-01-25 22:18 修正:2019-01-26 08:53
ソウル九老洞は、田畑から工場が密集した九老工団を経て、今は九老デジタル団地に変わった。九老デジタル団地の高層マンション型工場に灯が点っている=リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

 朴正煕(パク・チョンヒ)政権当時、国家が乗り出し土地を強奪して行った「九老(クロ)農地事件」の被害者が、度重なる裁判所の判断を経た末に約50年ぶりの勝訴判決を受けた。

 25日、ソウル高裁民事12部(裁判長イム・ソングン)は、九老農地事件の被害者である故K氏の遺族が国家を相手に起こした所有権移転登記訴訟で原告勝訴の判決を下したと明らかにした。

 九老農地事件は、朴正煕政権当時に政府が九老輸出産業工業団地を造成するとして強制的に農民の土地を収用した事件だ。日帝強制占領期間当時、日帝は1942~1943年に軍用地として使うとして、ソウル九老洞一帯約30万坪の土地を強制的に収用した。解放を迎えると、政府は1950年3月、農地改革法により土地を農民に分配した。

 1961年、朴正煕政権は九老工団を作るとして農民を強制的に追い出し、土地の管理権を財務部に渡した。K氏ら85人は1964年、政府を相手に訴訟を起こし、1968年に勝訴確定判決を受けた。だが、朴正煕政権は訴訟で証言した公務員を拘束し、訴訟を提起した農民も拘束するなど各種の弾圧に乗り出した。すでに敗訴した民事訴訟も再審を請求し、農民の勝訴を取り消す判決を出させた。K氏が受け取った勝訴判決もまた、再審で取り消された。2017年に亡くなったK氏に代わって遺族らは国家を相手に改めて再審を請求した。

 裁判所は「K氏の勝訴判決が確定したのに、国家が公権力を動員して農民を不法に連行、監禁するなど苛酷行為をし、無理やり偽証罪などで起訴して処罰した後、再審で勝訴判決まで得た」と指摘した。さらに裁判所は「過去に国家が得た判決は、再審の理由があるとは認められないにもかかわらず、再審の理由があると見て国家の再審請求を受け入れたもので不当だ」と説明した。

コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/879939.html韓国語原文入力:2019-01-25 18:56
訳J.S

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