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「サムスングループ最年少女性役員」を魅了した“3人の女”のスタートアップ企業

登録:2019-01-16 09:44 修正:2019-01-16 11:39
「ラエル」最高運営責任者のキム・ジヨン氏 
サムスン物産常務出身、新生企業へ 
「母として『安全な女性用品』に貢献したい」
キム・ジヨン・ラエル最高運営責任者(COO)//ハンギョレ新聞社

 2016年、それぞれ記者(アネス・アン)、映画会社配給チームディレクター(ペク・ヤンヒ)、製品デザイナー(ウォン・ビンナ)だった“3人の女”が手を取り合った。「女性のための安全な製品を作ろう」という志を決め、オーガニックの生理用ナプキン製品を発表した。米国カリフォルニア州で出発した小さなスタートアップ企業は、2年でアマゾンの生理用ナプキンカテゴリー1位をマークし、旋風を巻き起こした。

 彼女らの確固たるビジョンは、大手企業の役員であるもう一人の女性を魅了した。14日、オーガニック女性用品企業「ラエル」の最高運営責任者(COO)として合流したキム・ジヨン氏(47)がその主人公だ。キム氏は、ボスティンコンサルティンググループ経営戦略コンサルタント、メリルリンチグループのアナリスト、ヤフーコリアの戦略企画担当を経て、サムスン物産ファッション部門で11年間勤めた。2011年には「ビーンポール」と紳士服「ロガティス」などを率いた実績を認められ、39歳で常務に抜てきされた。「サムスングループ最年少女性役員」というタイトルを持った彼女が、なぜ新生企業に移ったのだろうか。

 キム氏はこの日、電話インタビューで「日々変化する流通環境では、製品力だけでなく、企業が志す価値が勝敗を左右する」とし、「『ラエル』は創業者たちが日常で経験した不便さを改善するという問題意識から出発したという点で、ブランドの真実さが明確だと判断した」と話した。女性としての体験が契機になった。彼女は「過去には女性用品を使って不便さを感じるたびに、自分で原因を探そうとしたが、2014年の出産直後、国内の小規模会社のオーガニックのナプキンを使ってみた後、考えが変わった」とし、「世界中の女性誰でもが優秀で安全な女性用品を経験できるように貢献したい」と付け加えた。

 一定規模の成長を遂げた企業で向き合った限界も新たな挑戦の背景になったという。キム氏は「(大企業では)従来の消費者たちが持つブランドイメージを守りながら、新しいトレンドに合うように若い世代にアプローチする作業が容易でない側面がある」と話した。彼女は「『ラエル』はオンラインの環境で誕生し、消費者たちの意見を製品開発に直ちに反映し、革新を遂げた」とし、「進化する消費者をより身近に接触し、さらにアグレッシブに挑戦してみたい」と話した。

 「ラエル」は、オーガニックのナプキンやタンポンなど生理用品を主力として取り扱う。米国の食品医薬品局(FDA)から生理用ナプキン全製品についてオーガニックコットンカバー認証を受け、生理用ナプキンの毒性物質の議論がしきりに提起されていた昨年、韓国基礎科学支援研究院(KBSI)で放射能・ラドン成分不検出の認証を受け、話題を集めた。昨年11月には米国と国内創業投資会社から200億ウォン規模の投資を誘致し、グローバル市場へと拡張を図っている。キム氏はグローバル事業拡張のための流通戦略を指揮することになる。

ヒョン・ソウン記者soni@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/startup/878518.html韓国語原文入力:2019-01-15 19:53
訳M.C

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