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[ニュース分析]朝米関係の危機に直面する度すでに7通…金委員長の“親書政治”

登録:2019-01-04 05:50 修正:2019-01-04 07:29
親書が朝米関係の主な軸に 
膠着の解消狙うか信頼の構築試みるか 
新年早々送られた親書の内容と影響に注目集まる
ドナルド・トランプ米大統領が今月2日(現地時間)、ホワイトハウスで開かれた閣僚会議で、北朝鮮の金正恩国務委員長から届いた親書を持っている//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領が2日(現地時間)、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長から届いた親書を公開したことで、金正恩流の親書政治に関心が集まっている。半年の間に7通の親書をホワイトハウスに送った金委員長流の親書政治は、いつしか朝米関係を繋いでいく主な軸であると同時に、“日常”と化している。

 金委員長の親書の中で最も注目を集めたのは、昨年6月初めに送った初めての手紙だ。6月12日の1回目の朝米首脳会談を控えて、朝米が繰り広げた神経戦によって、情勢が大きく揺らいでいた時期だった。一方的な核放棄の意味で使われていた「リビアモデル」を掲げて強硬ドライブをかけるトランプ政権に対抗し、北朝鮮はキム・ゲグァン第1外務副相とチェ・ソンヒ外務副相の談話で対米批判を強めた。トランプ大統領は会談の取り消し(5月24日)カードを取り出した。金委員長は直ちに「代理談話」を発表し、局面の収拾に乗り出したが、シンガポール会談に再び追い風が吹き始めたのは、6月1日(現地時間)に金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党中央委員会副委員長が直接ホワイトハウスを訪れ、金委員長の親書を“配達”してからだった。書類封筒の大きさの“巨大な”白い封筒は話題を呼んだ。トランプ大統領は同日、「一括妥結式」の非核化アプローチから「プロセスとしての非核化」への認識の転換を示す一方、シンガポール会談で終戦宣言を行う可能性も初めて示唆した。朝米関係で最も劇的な“大どんでん返し”を狙った書簡だった。

 9月10日(現地時間)にホワイトハウスが公開した金委員長の4通目の親書にも、悪化の兆しを見せていた局面を転換しようとする“遠大な目標”が書かれていたものと見られる。8月末、マイク・ポンペオ国務長官の4回目の訪朝が発表の翌日に急遽取り消されたが、金英哲副委員長が送った“秘密の手紙”の影響が大きかったとされ、朝米関係に対する懸念が深まった時点だった。ホワイトハウスは当時、金委員長が親書を通じてトランプ大統領に2回目の首脳会談を提案しており、双方が調整作業を行っていると発表した。“第2の大どんでん返し”がある程度現実味を帯びてきたかのように思われたが、結局、動力を維持することはできなかった。

 9月にはこの他にも少なくとも2通以上の手紙が届いたという。内容は公開されなかったが、金委員長が朝米の“膠着局面の緩和用”に送った書簡と見られる。21日(現地時間)、トランプ大統領が中間選挙の支援遊説場で明らかにした金委員長の親書と、5日後に日本の安倍晋三首相との首脳会談で金委員長から届いたと明らかにした2通の手紙がそれだ。この3通がすべて異なるものなのかどうかは確認されていない。ただし、トランプ大統領が安倍首相の隣で、背広の内ポケットから親書を取り出して、「歴史的な手紙」だと自慢する場面は、世間の関心を集めた。同日は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金委員長の平壌会談を機に、ポンペオ長官の4回目の訪朝が再度確定・発表された日でもあり、金委員長の“連続親書”が朝米高官級会談の突破口を開く可能性があると見られていた。

 一方、昨年7月6日にポンペオ長官が3回目の訪朝を行った際、金委員長が送った2通目の親書は、1回目の朝米首脳会談の後、首脳間の和気あいあいとした雰囲気を維持するための“局面維持用”と見られる。にもかかわらず、非核化と相応の措置をめぐり、朝米の意見が対立し始めた状況であり、所期した成果を出せなかったと評価されている。新年早々送られた金委員長の7通目の親書が、いかなる“底力”を発揮するかに注目が集まっている。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/876954.html韓国語原文入力:2019-01-03 22:03
訳H.J

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