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韓国初のトラム、候補地を釜山など5都市に圧縮

登録:2018-12-24 22:22 修正:2018-12-25 08:34
路線公募に釜山、全州、清州、水原、城南が参加 
「五六島」「人間中心」「交通難解決」「観光」前面に 
鉄道技術研究院「実態調査経て1月末に候補地選定」
韓国鉄道技術研究院が開発し試験運行中の無架線低床トラム=韓国鉄道技術研究院提供//ハンギョレ新聞社

 韓国で初めてトラム(路面電車)を再導入することになる候補地が5都市に絞られた。大韓帝国時期から日帝時代まで、朝鮮半島ではソウル、平壌、釜山の3都市でトラムが運行されていたが、韓国では1968年に完全になくなった。北朝鮮でも姿を消し1991年から再導入した。

 23日、韓国鉄道技術研究院によれば「無架線低床トラム実証路線選定公募」に釜山と京畿道水原(スウォン)、城南(ソンナム)、全羅北道全州(チョンジュ)、忠清北道清州(チョンジュ)の5都市が最終参加したと明らかにした。鉄道技術研究院は「現場調査を経て1月末までには対象都市を選定する」と話した。

 国内初のトラム都市に挑戦した地方自治体は、各々自らの強みを前面に出した。50年ぶりにトラムの運行再開を狙う釜山市は意気込みが強い。1915年から運行された釜山のトラムは、車両の流れの妨げになるという理由で1968年に運行を停止した。釜山市は「五六島(オリュクト)線(慶星大・釜慶大~南区龍湖洞(ヨンホドン)、二妓台(イギデ)入口の1.9キロメートル)」で参加した。路線の周辺に1万世帯規模の住居地と3個の総合大学がある点が強みだ。

ニースの無架線トラム=キム・キュウォン記者//ハンギョレ新聞社

 首都圏では水原市と城南市の競争が熱い。2010年からトラムの導入に乗り出した水原市は、自動車中心から人間中心に水原の交通パラダイムを変える核心事業がトラムだと明らかにした。水原は、世界文化遺産の華城、伝統市場、スポーツ競技場など良い周辺要素▽ガバナンスを通した市民の共感形成などを強みとして打ち出した。

 先端産業団地の板橋(パンギョ)テクノバレーにトラムを推進中の城南市は、先端技術とトラムが出会えば、交通問題の解決にも適合すると明らかにした。城南市は「現在板橋には7万4千人余りの労働者がいて、第2、第3の団地が造成されれば流動人口が20万人規模になる。交通難の解消に最適な代案」と強調した。

 忠清北道清州市(チョンジュシ)は、車のない通りとして運営中の清州市庁周辺の旧清州駅広場~龍頭寺址鉄幢竿の間の1.1キロメートルに単線トラムを設置するとして名乗り出た。イ・ヨンミン清州市広域交通チーム主務官は「清州は道路条件に合わせて単線・複線の複合路線を提示した。交通・観光・都市再生をあまねく考慮した」と話した。

ストラスブールのトラム=キム・キュウォン記者//ハンギョレ新聞社

 全羅北道全州市(チョンジュシ)も挑戦状を出した。韓屋村(ハノクマウル)に複線1キロメートル以上のトラムを設置し、交通よりは観光用に活用する構想だ。キム・サンボム全州市路線改編チーム長は「財政面で首都圏都市より不利だが、伝統や観光と関連したトラムの価値を見せる」と話した。今回のモデル事業には、中央政府から予算が110億ウォン(約11億円)支援され、地方自治体も最小130億ウォン(約13億円)以上の費用を負担しなければならない。したがって、財政状況に余裕のない地方政府には不利だという意見もある。

 トラムは最近、世界的に環境にやさしい公共交通手段として注目されている。世界400都市で2300余りの路線が運行中であり、今後さらに増える展望だ。韓国では2012年に無架線トラムが開発され、2014~2015年トルコに1223億ウォン分(約122億円)が輸出された。しかし、韓国にはまだトラムが設置された都市がない。

ホン・ヨンドク、パク・イムグン、オ・ユンジュ、キム・グァンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/875566.html韓国語原文入力:2018-12-24 07:41
訳J.S

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