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女性家族部、「事実婚も家族」法改正を推進…多様性社会へのさらなる一歩

登録:2018-12-21 00:43 修正:2018-12-21 08:33
女性家族部の2019年度業務報告 
健康家庭基本法の全面改正を推進…核心は多様性 
出生届出す際、非嫡出子の表記も廃止へ  
民間企業の女性幹部管理職の拡大など誘引策設け 
デジタル性犯罪物の削除期間の短縮など性暴力への対処も強化
今年5月10日午後、ソウル市中区のフェラムタワーで開かれた「一人親家族の日(5月10日)制定記念行事」に文在寅大統領夫人の金正淑氏などが出席し、一人親家族に対する差別と認識改善が必要であることを強調した=女性家族部提供//ハンギョレ新聞社

 女性家族部が健康家庭基本法を全面改正し、“家族”の範囲に事実婚を含め、様々な形の家族を支援する政策を実施する。出生届を出す際に「婚姻外出生」(非嫡出子)を別途表記しないように制度改善に乗り出す。また、民間企業の女性代表性を高めるため、企業との協約を通じ「女性高位管理職目標制」を推進する。国内売上高上位500大企業の女性役員の割合(2017年基準)は3%に過ぎない。女性家族部はこのような内容を盛り込んだ来年の業務計画を20日、政府ソウル庁舎別館で文在寅(ムン・ジェイン)大統領に報告した。

 家族政策の核心は多様性だ。女性家族部はまず、健康家庭基本法上の家族の範囲を婚姻や血縁、養子縁組だけでなく、事実婚まで拡張する全面改正を推進する。女性家族部は、同党のナム・インスン議員が今月7日に発議した「健康家庭基本法の全改正案」をもとに、議論を続ける計画だ。同法が国会で可決されれば、事実婚関係にある人たちも、国家や地方自治体が提供する家族教育・相談サービスや子どもの保育など、養育支援事業対象に含まれる法的根拠が設けられる。

 また、出生届けの際に「婚姻外出生」を別途表記しなければならない現行制度を改善するため、法務部などと協議し、家族関係登録法の改正にも乗り出す。多文化・一人親家族に対する認識を改善するための教育も共に施行する。女性家族部の関係者は「家族の形が異なるという理由で差別を受けることなく、民主的で平等な家族関係を築く方向で推進していく」と説明した。このほか、養育負担を緩和するため、ベビーシッター・サービスの支援対象やシングルマザーと一人親家庭の児童養育費支援金額を拡大するとともに、ベビーシッター・サービスのリアルタイム申請・待機管理システムも構築する計画だ。

 性差別的な認識を改善し、性的平等の社会基盤を構築することも、来年度の重点課題だ。女性家族部は、民間企業が自発的に女性の代表性を高められるよう、多様な誘引策を設ける予定だ。このため、国民年金など大規模な公的基金の投資基準に「女性代表性」項目を反映したり、家族親和的企業の認証審査の基準に女性高位管理職の割合を含む方策を進める。現行の15カ所の新しい仕事センターは、来年に30カ所以上に増やし、経歴断絶の予防サービスを拡大することで、高位管理職への進出が可能な女性候補群の養成にも乗り出す。

 セクハラ・性暴力への対処も強化する。「デジタル性犯罪被害支援センター」や警察庁、放送通信審議委員会など関係省庁との連携を強化し、被害者の削除支援サービスの待機時間を短縮すると共に、支援対象に「盗撮カメラ被害」「サイバー上での性的嫌がらせ」などを新たに加える。「ランダム・チャット・アプリ」などを青少年有害媒体物として適用する案を推進するなど、オンラインで発生する青少年の性売買に対しても対応を強化する。学校で性平等を含む人権教育を活性化し、地域住民・企業などを対象に「性平等アカデミー」を運営するなど、性平等教育を受けられる環境づくりにも乗り出す。女性家族部はこのほか、危機的状況にある青少年を見つけだし支援できるよう、地域社会のセーフティネットを強化し、自殺や暴力など青少年に有害なインターネット動画サービスに対応するため、関係省庁とともに事業者自律規制ガイドラインを作る。多文化・韓国に移住した家庭の青少年のための支援も強化する。多文化・中途入国青少年のための職業訓練課程を開設し、心理・情緒相談を支援する予定だ。進学や就業をしていない20~24歳の「ニート」(NEET)を発掘し、それぞれのニーズに合わせたプログラムを開発するという目標も立てた。

 日本軍性奴隷制(慰安婦)被害者に対しては生活安定支援金などを拡大し、関連史料を集積・分析し、アーカイブにする計画だ。女性家族部の関係者は、「被害女性たちの名誉と尊厳を守る研究・記念事業を続け、和解・癒やし財団解散後の措置も支障なく進める」と明らかにした。

 チン・ソンミ女性家族部長官は同日の業務報告で、「韓国社会の性差別文化を解消し、女性への暴力に対する対応力を高め、安全だと信じられる環境を作ることが重要だ」と強調した。また「一人親・多文化家族など困難を負っている方たちに対する支援もさらに拡大し、家族の多様性が尊重されるように法と制度を改善して、平等が日常となる包容社会を作ることに力になりたい」と明らかにした。

パク・ダヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/875190.html韓国語原文入力:2018-12-20 16:49
訳H.J

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