連動型比例代表制方式、意見の食い違い
議員定数の拡大をめぐっても激論を予想
与野党5党の院内代表が「連動型比例代表制導入に向けた具体的な案を積極的に検討する」という内容を含めた選挙制度改編の方向へ合意した。国民の反対世論のため論議が止まっていた「議員定数拡大の可否検討」まで合意文に含まれた。与野党が15日、このような内容の選挙制度改編6項で合意し、ソン・ハッキュ正しい未来党、イ・ジョンミ正義党代表のハンガーストライキは10日目に終わった。しかし、大枠の合意が成立しただけで、具体的な議論のボールを国会の政治改革特別委員会(政改特委)に渡した状態なので、今後与野党間の熾烈な論争は避けられない。
■連動型方式、ドイツ式か「韓国式」か？
最も注目される合意は、与野党が連動型比例制導入に向けた検討に入るという点だ。連動型比例制は、これまで野党3党(正しい未来党、民主平和党、正義党)と約570の市民社会団体が団結した政治改革共同行動が選挙制度改編の主要な代案として提示した制度だ。政党得票率どおり議席数を配分するため、政党の支持が議席にそのまま反映されると評価される。
しかし、連動型比例制の導入方式を巡っては激論が予想される。野党3党は、政党得票率どおり議席を100％配分するドイツ式を主張する。一方、共に民主党はドイツ式に否定的だ。連動型比例制は、政党得票率どおり配分された議席数より地方区当選者が足りなければ比例代表議席を満たす方式だが、民主党が地方区で十分に当選する可能性が高く、比例代表確保が難しいというのが与党内部のムードだ。政改特委の民主党幹事であるキム・ジョンミン議員は16日、電話インタビューで「ドイツ式は政党得票率で議席を配分するため、政党に対する国民の信頼が前提にならなければならないが、韓国の実情がそうなのか疑問だ」と述べた。民主党が比例代表議席もある程度確保できるように「変形」した連動型方式を提示しようとするものとみられる。
自由韓国党が合意案に前向きに参加したが「連動型比例制導入に合意したわけではない」と線を引いた点も、議論の難しさを予告している。チョン・ヤンソク韓国党院内首席副代表はこの日、「開かれた姿勢で検討しようということ」と明らかにした。
■議員定数、地方区・比例代表の割合は？
与野党は「比例代表拡大および比例・地方区の議席の割合、議員定数(10％以内の拡大可否など検討)」も政改特委の合意による内容を合意文に盛り込んだ。そのうち、議員定数の拡大は依然として“高い壁”だ。キム・ジョンミン議員は「民主党は定数維持状態で改革案を作るのが原則」とし、「ただ、定数拡大に与野党が合意すれば、国民の同意の手続きを踏むことができるという立場」だと述べた。韓国党は明確な党論がないが、議員定数拡大に否定的だ。一部の議員は定数を減らすべきだと主張している。
野党3党は「国会の特権を減らすこと」を通じて国民の説得に乗り出すことを提案する。民主平和党のチョン・ドンヨン代表はこの日、「国会の予算を20％削減し、議員の定数を20％増やし、議員職を特権型から奉仕型に変えるべきだ」と主張した。
現在「5.38対1」の地方区(253議席)と比例代表(47議席)の議席数の割合の調整も争点となっている。中央選挙管理委員会は2015年、「圏域別連動型比例代表制」を国会に勧告し、地方区と比例代表の割合を「2(200席)対1(100席)」と提示した。比例代表の割合を高めるためには、地方区の議席を減らし、比例代表を増やす方法があるが、現役の地方区議員の反発が予想される。全体議席数を増やして比例代表議席数を拡大することもできるが、国民を説得しなければならない課題がある。
■1月の理事国会で合意処理は可能か？
与野党はこうした複雑な争点を突破し、選挙制度改革法案を1月の臨時国会で処理することにした。このため、シム・サンジョン政改特委委員長は、特委レベルの案を12月中にまとめようと要求した。しかし、政改特委所属のある議員は「各党の議員総会と政改特委討論など、時間がもっと必要だ」と話し、論議のスピードが難航するのを予告した。政改特委のある諮問委員は「約束どおり1月に合意しなければ、その責任が最も消極的に取り組んだ政党に返ってくる」とし、「政党は責任をもって議論しなければならない」と明らかにした。
訳M.C
