本文に移動

[社説]文大統領の「支持率45%」が示すもの

登録:2018-12-17 06:08 修正:2018-12-17 11:22
経済など政策成果の不振が主な原因 
国民の声に耳を傾ける“初心”を 
与党、傲慢ではなかったか振り返ってみるべき
文在寅大統領が今月11日午後、世宗市政府庁舍で開かれた教育部の業務報告で発言している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国政支持率が就任後最低の45%を記録した。韓国ギャラップが14日に発表した世論調査の結果によると、文大統領に対する肯定的な評価は先週より4%下落した一方、否定的評価は3%ポイント上昇し、44%を記録した。肯定と否定の評価がわずか1%の僅差となったのだ。与党の共に民主党の支持率も36%で、政権獲得以来最低となった。

 文政権が発足1年7カ月ぶりに最低支持率を記録したのは、民心の明らかな警告灯と言える。支持率に一喜一憂する必要はないが、最近の支持率の推移は、民心の流れが変わっていること示している。

 文大統領の支持率が持続的に下落する理由は、何よりも政策成果が振るわなかったためとみられる。最大課題として打ち出した雇用拡大や格差解消において、今年1年間の成績表はみすぼらしいものだった。指標を見る限り、改善するよりはむしろ悪化した。「経済ツートップ」と呼ばれたキム・ドンヨン前経済副首相とチャン・ハソン前大統領府政策室長の対立を、1年近く放置したのも過ちだった。いくつかの政策が現実とかけ離れるなど、整合性が低下し、政策主体まで一貫性を失う状況で、成果を出すことは難しい。

最近20週間の大統領職務遂行評価世論調査=韓国ギャラップ/ハンギョレ新聞社

 文大統領が14日、次官級16人を交代するなど、人事の幅を広げたことは、政府に政策的成果を督励するための努力と見られる。政策で成果を出すことに政権の命運がかかっていると言っても過言ではない。人事や政策など、すべての面で特段の対策を講じなければならない。

 政権中盤を迎えて、文大統領が国民とまともに疎通しているのかも振り返らなければならない。文大統領が最近、国外歴訪中に機内会見で記者の質問を制限するような姿を見せたことや、「チャンスが到来したときにつかみ取れ」として、業界状況を正確に把握していないような発言をしたことが代表的だ。政権序盤、様々な行事で真摯な姿で国民の感動を呼び起こしたが、これからは「政策成果」を通じて国民の信頼を得なければならない時期だ。状況が苦しいほど、国民に直接寄り添って詳しく説明し、時には国政の困難も打ち明ける素朴で率直な疎通を考えなければならない。大統領府が特別監察班事件の対策として、部署の名称から「特別」を外し、派遣部処を多様化する方案を打ち出したのも取り繕いにみえる。最近明らかになった大統領府内のさまざまな綱紀の乱れについて、大統領府はより明確に説明し、国民に頭を下げなければならない。

 与党の共に民主党も、選挙での相次ぐ勝利に酔いしれていたのではないか、振り返ってみるべきだ。イ・ヘチャン共に民主党代表の「20年執権論」は、国民に傲慢に映ったのが事実だ。イ代表が、連動型比例代表制の公約を覆し、野党3党との連帯を壊したことや、イ・ジェミョン京畿道知事をめぐる与党内部の論議も、支持層の緩みにつながったと見るべきだろう。

 文大統領の支持率下落は「民心に耳を傾けろ」という国民の厳しい忠告だ。大統領府と与党はいずれも謙虚に自らを振り返り、今出ている危機の兆候を重く受け止めることを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/874495.html韓国語原文入力:2018-12-14 19:03
訳H.J

関連記事