日本が済州(チェジュ)国際観艦式に海上自衛隊の艦艇を送らないことにした。最近、韓日間で退くことのできない自尊心攻防に飛び火した旭日旗論議が、自衛隊艦艇の観艦式不参加により一段落した。
海軍は5日、立場資料を出して「海上自衛隊の艦艇の国際観艦式海上査閲時の海上自衛隊旗掲揚に関する立場を確認した結果、日本側では『韓国海軍が通知した原則(マストに自国旗と太極旗を掲揚)を尊重するとしても、自国法令により海上自衛隊旗も掲揚せざるをえない』と説明した」として「韓国の海軍が通知した海上査閲原則を日本が受け入れなかったため、私たちもやむをえず日本側の立場を受け入れることはできなかった」と明らかにした。
日本の岩屋毅・新任防衛相もこの日、旭日旗の掲揚を自制してほしいという韓国政府の要請を受け入れることはできず、海上自衛隊艦艇の参加を取り消すという方針を韓国政府に通知したとし「きわめて遺憾」と明らかにした。海上自衛隊が艦艇旗として使う旭日旗については「国際法上、軍隊所属艦艇を表示する外部標識に該当する」と擁護した。
これに先立って韓国海軍は、10日~14日に済州民官複合港で開かれる国際観艦式に米国、日本など14カ国の艦艇21隻が参加すると発表したている。しかし、日本の海上自衛隊の艦艇が今回の行事で過去の日本軍国主義の象徴である旭日旗を付けて参加するという事実が知らされると、韓国国内で反対世論が激しく起こった。
これに伴い、外交部は外交チャンネルを通じて日本艦艇の旭日旗掲揚の自制を要請し、海軍も8月末に14の参加国海軍に公文書を送り「海上査閲式の時は参加艦艇のマストに所属国家の国旗と主催国である太極旗だけを掲揚してほしい」として、事実上旭日旗の掲揚禁止を要請した。これに対して小野寺五典前防衛相は最近「自衛艦旗(旭日旗)の掲揚は(日本の)国内法で義務付けられている。国際海洋法条約上でも(旭日旗は)軍隊所属船舶の国籍を表示する外部標識に該当する。当然掲揚する」と強く反発した。
日本の海上自衛隊艦艇は、韓国国内の港に入港するたびに旭日旗論議を呼んできた。しかし、今回のように旭日旗論議で海上自衛隊の艦艇が韓国国内への入港をあきらめたことは異例だ。かつて1998年と2008年に釜山で開かれた2回の国際観艦式には、海上自衛隊の艦艇が旭日旗を付けて行事に参加した前例がある。海軍関係者は「2年前、日本の海上自衛隊艦艇が鎮海(チネ)港に入港した時も、旭日旗論議があった。そこで当時、日本の艦艇を民港ではなく軍港に入港するよう誘導したことがある。しかし、完全に入港をあきらめたのは私の記憶では初めて」と話した。
今回の日本の海上自衛隊艦艇の済州観艦式不参加に対して、韓国と日本の軍当局はそろって「遺憾」の意を明らかにした。しかし、この事態が韓日軍事協力にどのような影響を及ぼすか、速断することは早すぎる。韓国政府の対日外交政策は、過去の問題と政治・経済協力を分離して処理するという“ツートラック路線”上に立っている。最近韓国政府は、2015年12月の韓日慰安婦合意に基づく「和解癒し財団」の解体方針を日本に伝達するなど、過去の問題に対しては非妥協原則を再確認しながらも、他の分野では韓日間で必要な協力を持続する意志であることも明らかにしている。海軍は今回のことと関連して「遺憾と考え、今回の決定が両国海軍の発展的関係維持に影響を与えてはならないと考える」と明らかにした。