7月1日に施行された「週52時間労働上限制」の余波が明確になっている。会社員が退勤後に職場付近に留まる時間が減り、余暇関連の売上が増加したことが代表的だ。KTが携帯電話基地局の接続情報を通じて分析した人口流動データと、BCカードが加盟店の売上を分析した結果だ。
2日、KTが発表した資料によれば、ソウルの光化門(クァンファムン)・汝矣島(ヨイド)と京畿道の板橋(パンギョ)地域のサラリーマンが、職場の周囲に留まる時間が減少したことが分かった。KTは、基地局と携帯電話がやりとりする信号を基に、人口流動データを抽出したが、このうち午前9時から午後6時まで留まった日数が月間10日を超えて、月間の総基地局接続時間が4時間を超える携帯電話利用者を該当地域の“サラリーマン”と定義した。
KTが今回の分析に活用した基地局範囲内“滞留時間”を、そっくり“勤務時間”と断定する訳には行かないが、週52時間労働上限制の施行にともなう一定の傾向は確認されたわけだ。分析作業に参加したKT関係者は「サラリーマンの滞留時間減少パターンは、8月と9月がほとんど同じで、猛暑が滞留時間の減少に大きな影響を及ぼしていないことが把握された」と説明した。
8月1日~9月16日の間、ソウルの光化門地域のサラリーマンの一日平均職場付近滞留時間は516分で、週52時間労働上限制施行前の昨年同期に比べ55分減ったことが分かった。情報技術(IT)・ゲーム関連企業が密集している京畿道城南市(ソンナムシ)板橋(パンギョ)では、531分から519分に12分減り、労働上限制の施行猶予対象である金融圏従事者が多い汝矣島(ヨイド)でも588分から581分に7分減少した。反面、週52時間労働上限制がまだ施行されない300人未満の事業場が多いカサンデジタル団地地域のサラリーマンの滞留時間は、522分から528分に6分増えた。
柔軟勤労制の施行などにより、出退勤時間も昨年と今年とでは差が見られた。昨年、光化門地域のサラリーマンは午前7時30分~8時に全体の26%が光化門地域に進入したが、今年は15%だけが光化門地域に到着した。反面、8時30分~9時に進入したサラリーマンは昨年の21%から38%に増え、全般的に出勤時間が遅くなったと推定された。光化門・汝矣島・板橋はすべて午後6~7時に該当地域を離れる“サラリーマン”の比率は、最大31.4%で昨年に比べ約7%増加した。
職場での滞留時間が減ったからなのか?余暇活動関連の売上は昨年に比べて増えた。8月19日~9月15日の間、BCカードのソウル市内加盟店42万4838店舗のうち、映画館・書店・ゴルフ練習場・ボーリング場・テニス場・プール・ヘルスクラブなど余暇関連加盟店5574店の売上は、昨年同期(8月20日~9月16日)に比べ9.2%増加したことが分かった。金額に換算すれば約16億ウォン水準だ。ヘルスクラブは39%増え、プールは36.6%増加したことが分かった。
地域別では、銅雀(ドンジャク)・江西(カンソ)・東大門区(トンデムング)地域の売上が昨年同期に比べて70.3~42.7%増加し、業務地域が多い衿川(クムチョン)・鍾路区(チョンノグ)は6.6~7.7%減った。光化門・板橋地域の午後6時以後の飲食・酒類関連売上も10.3%~14.7%程度減少した。
KTのユン・ヘジョン・ビッグデータ事業支援団長は「サラリーマンの一日平均勤務時間が減少し、出退勤時間が“ナイン ツー シックス”に合わされていくなど、生活の質が高まる生活パターンの変化がビッグデータに現れた」として「ビッグデータ分析力量を基に、消費者の生活パターンに合う新しいサービスを開発する計画」と伝えた。