南北首脳が「平壌共同宣言」で複数の事業に合意したことから、これと関連した広域地方政府の足取りが早くなった。接境地である仁川市は、西海(ソヘ)南北平和道路建設を、同じく接境地の江原道は山林造成事業を、ソウル市は大同江(テドンガン)の水質改善を主要課題に挙げた。
特別随行員の資格で平壌(ピョンヤン)に行ってきたパク・ウォンスン・ソウル市長は21日、ソウル市庁で記者懇談会を開き、「南北首脳が合意した大きな枠組みに共感し、地方政府レベルで協力する」と明らかにした。パク市長は「19日の晩餐会場のメインテーブルで挨拶する時、私がソウル市長だと言うと、(金委員長が)大同江の水質について話した」とし、「ソウル市は漢江(ハンガン)の水質浄化や上下水道管理の経験があるため、大同江の水質改善に『協力する』と話した」と伝えた。大同江はその下流に西海閘門が設置され、川の水が自然に流れず、水質も良くない方だ。
このほかパク市長は北朝鮮と、南北市道知事会議の推進▽2032年ソウル・平壌五輪誘致▽金正恩国務委員長のソウル訪問の際、最善の支援▽山林分野の合意履行に向けた全国市道知事協議会の支援を約束した。
南北首脳会談特別随行員の資格で平壌に行ってきたチェ・ムンスン江原道知事もこの日、道庁のブリーフィングルームで記者会見を開き、「一番先に推進する事業は山林協力」だと明らかにした。チェ知事は「3年前から準備してきた鉄原(チョルウォン)の統一養苗場の苗木50万本を北朝鮮に送る用意が出来ている」と説明した。
チェ知事は、平壌共同宣言での江原道関連内容は、年内に東海(トンヘ)線鉄道・道路を連結▽金剛山(クムガンサン)観光正常化と東海観光共同特区作り▽金剛山離散家族の常設面会所オープンと述べた。また、付属合意書に含まれた非武装地帯(鉄原)の試験的南北共同遺骨捜索▽非武装地帯の泰封国鉄原城の発掘などにも協力すると明らかにした。
接境地の仁川市はこの日、平壌共同宣言に盛り込まれた仁川関連事業を円滑に推進するための細部計画を発表した。まず朝鮮半島の新経済指導構想の3大ベルト構築事業の一つとして、永宗島(ヨンジョンド)~信島(シンド)~江華島(カンファド)~開城(ケソン)~海州(ヘジュ)を結ぶ西海南北平和道路を建設することにし、2021年に先導事業として永宗~信島間の道路建設に着工する方針だ。2024年の開通を目標とする永宗~信島間の道路は長さ3.5キロ、往復2車線で事業費は約1千億ウォン(100億円)だ。また、西海の北方限界線(NLL)一帯を平和水域と共同漁労区域に造成するという軍事分野合意書の具体的実現に備え、50億ウォンをかけて「西海5島の水産物保管施設」を拡大する計画だ。