879億ウォン(約88億円)を投じて作ったものの、訪れる人もなく金食い虫になった「セマウル運動テーマ公演」の運営費を、結局慶尚北道が負担することになりそうだ。
イ・チョルウ慶尚北道知事は20日、大邱のホテル寿城(スソン)で、大邱・慶尚北道中堅ジャーナリストの集いである「アジアフォーラム21」が開いた招請討論会に出席し、「亀尾(クミ)市長は(セマウル公園)の運営費を心配しているが、慶尚北道が直接運営することにし、間もなく発表するだろう」と明らかにした。イ知事は「セマウルは私たちが唯一世界に輸出したものであり、大韓民国のブランドで唯一精神文化を輸出したのはセマウル事業が初めて」とし、このように話した。
自由韓国党のナム・ユジン市長時期に亀尾市は879億ウォンを投じて、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の亀尾の生家周辺にセマウル運動テーマ公園(面積24万7350平方メートル)を作った。事業費は、亀尾市が431億ウォン、政府が293億ウォン、慶尚北道が155億ウォンを負担した。2013年10月に工事を始め、昨年12月に工事が終わった。7月24日には各種の許認可手続きも終えられた。だが、コンテンツが不足しているため、訪れる人がほとんどなく、正式にオープンすることもできなかった。
悪いことは重なり、亀尾市と慶尚北道は、毎年数十億ウォン(数億円)かかるセマウル運動テーマ公園の運営費を互いに押し付け合い、葛藤が続いていた。この葛藤は、6・13地方選挙で共に民主党のチャン・セヨン亀尾市長と韓国党のイ・チョルウ慶尚北道知事が新たに当選した後にも続いていた。だが、イ知事がこの日、セマウル公園を慶尚北道が運営すると明らかにし、運営費は結局慶尚北道が負担することになると見られる。亀尾市と慶尚北道は、セマウル公園の年間運営費が20~30億ウォンかかると見ている。
イ知事はこの日の討論会で、民主党のチャン市長に対する不快感を迂回的に表わした。イ知事は「(朴正煕大統領)歴史博物館については亀尾の所管だと言う訳には行かないが、歴史は消そうとしても消すことはできない」と話した。彼はまた「朴正煕大統領は、檀君以来貧困から抜け出させた唯一の指導者だ。これは認めなければならないことで、消すことはできないと考える」と付け加えた。亀尾市が「朴正煕大統領歴史資料館」の名前を変えたりコンテンツを追加しようとしているという噂に否定的な立場を表したのだ。
亀尾市は、ナム市長時期の昨年12月から、朴元大統領の生家周辺に朴正煕大統領歴史資料館(面積6164平方メートル)を作っている。来年完成し、朴元大統領の遺品5670点を展示する計画だ。歴史資料館は195億ウォンが投じられたが、亀尾市が103億、政府が77億、慶尚北道が15億ウォンを負担した。亀尾市は市民の意見を集約し、歴史資料館の運営方式を年末までに決める方針だ。