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京畿に続き江原道まで…さらに広げた統一経済特区の青写真

登録:2018-08-16 00:32 修正:2018-08-16 07:25
接境地域を「朝鮮半島の新経済」の軸に 
「平和が経済だ」掲げて  
緊張緩和を跳躍の基盤に  
「南北経済協力効果、少なくとも170兆ウォン  
雇用・中小企業の発展の機会になるだろう」
文在寅大統領が今月15日、ソウル龍山国立中央博物館広場で開かれた第73周年光復節と政府樹立70周年記念式典で演説している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日の光復節記念式典での演説で、南北間の軍事的緊張緩和を前提として提示した「京畿・江原の国境地域統一経済特区」は平和と経済という二つの目標実現に対する意志が盛り込まれた構想と言える。

 文大統領は演説で「平和が経済」だとし、「軍事的緊張が緩和され、平和が定着すれば、京畿道と江原道の接境地域に統一経済特区を設置する」と明らかにした。彼は統一経済特区が「多くの雇用とともに、地域と中小企業が画期的に発展する機会になるだろう」と説明した。文大統領はまた、対外経済政策研究院の資料をもとに「今後30年間、南北経済協力による経済効果は少なくとも170兆ウォン(16兆7千億円)に達する」とし、「平和経済、経済共同体の夢を実現させた時、韓国経済は新たに跳躍することができる」と強調した。

 彼は過去、金剛山(クムガンサン)観光が、江原道高城(コソン)の経済を飛躍させた経験や10万以上の働き口を生み出した開城(ケソン)工業団地の雇用効果、京畿道坡州(パジュ)一帯が「滄海変じて桑田となるような目覚ましい発展が実現した」点についても言及した。

 文大統領が統一経済特区作りに言及したのは、今回が初めてではない。彼は大統領選挙候補時代だった昨年5月、京畿道高陽・坡州での遊説で「坡州・海州(ヘジュ)・開城を結ぶ統一経済特区の設置は京畿道北部地域の早期発展をもたらすだろう」とし、「これは(2007年)10・4首脳宣言を作った盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の夢であり、文在寅の夢」だと述べた。今回の演説では、統一経済特区の範囲を江原地域まで拡大したのだ。これは文大統領が明らかにした朝鮮半島新経済指導構想にもかかわる内容だ。文大統領は、産業・物流・交通を中心とした「環黄海ベルト」や、観光・資源・エネルギーを中心とした「環東海ベルト」、朝鮮半島の接境地域を横に網羅する「接境地域平和ベルト」を新経済指導構想の3つの軸として提示した。

 接境地域統一経済特区が平和を保証する点も考慮したものとみられる。2016年2月に閉鎖されるまで、開城工団は南北の火力が密集した休戦ラインの西の地域に安全装置の役割を果たした。江原道の接境地域にも統一経済特区が生じれば、休戦ラインの東にも緩衝地を確保できる。

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/857790.html韓国語原文入力:2018-08-15 21:48
訳H.J

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