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正義党のノ・フェチャン議員投身自殺…総選挙直前の政治資金が悲劇のくびきに

登録:2018-07-23 22:26 修正:2018-07-24 07:35
ノ・フェチャン議員、極端な選択はなぜ 
「2016年3月、党内公募から 
4百万円受け取ったが請託はなし 
後援手続きを踏むべきだったのに… 
恥ずかしい判断」遺書にのこす 
 
会計処理せずに選挙に使ったもよう 
2016年の捜査時は無嫌疑の結論 
 
ドゥルキング特検チームが全面再捜査 
「カネを渡した」報道出るや 
疑惑を否定したが心理的圧迫
救急車(手前)が23日午後1時頃、ノ・フェチャン正義党院内代表が投身自殺したソウル市中区のあるアパートを出発し、葬儀室が用意された病院へ向かっている=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 「すべての政治家は刑務所の塀の上を歩いている」という政界の冷徹な現実を、傑出した進歩政治家までが避けて通ることはできなかった。

 23日、ノ・フェチャン正義党議員が自ら命を絶った背景には、2年余り前に受け取った数千万ウォンの不法政治資金疑惑が今になって火が点き、自身と家族に向けられた“ドゥルキング”特検チームの捜査が秒読みに入ったという負担が作用したとみられる。ノ議員が死亡したことでそれに関連した疑惑は「公訴権なし」で終えられる。

 ノ議員は自ら書いて遺したと見られる遺書で“ドゥルキング”ことキム・ドンウォン氏が主導する「経済的共進化会」(経共会)から不適切な金銭を受け取った事実を認めた。彼は「2016年3月、二度にかけて経共会から計4千万ウォン(約400万円)を受け取った。いかなる請託もなかったし、見返りを約束したこともなかった」としつつも「後になって分かったが、多数の会員たちの自発的募金だったので、当然正常な後援手続きを踏むべきだった。しかしそうしなかった。愚かな選択であり、恥ずかしい判断だった」と書いた。当時、ノ議員は正義党選挙対策委員会共同委員長だった。

 ノ議員に関連して具体的に知らされた疑惑はないが、遺書の内容から見れば、当時ノ議員は正常な会計処理をせずに4千万ウォンを受け取り、選挙に使ったと見られる。もちろん、会計処理をしていたとしても違法論議は残る。現行の政治資金法は、後援会1カ所につき1人当り年間500万ウォン(約50万円)までの後援支援金を許容している。また、団体の後援やこれを隠すための“分割後援”も禁止している。

 これに先立ってノ議員は、違法政治資金授受疑惑と関連して、2016年に中央選挙管理委員会の捜査依頼により検警の捜査を受けたことがある。当時、経共会の口座から二度にかけて5千万ウォン(約500万円)が引き出されたが、その金銭がノ議員側に渡された痕跡は見つからなかったという趣旨で無嫌疑の結論が出た。当時、経共会側は「金銭を渡そうとしたがうまくいかず、4190万ウォンを再び経共会の口座に入金し、残りは運営費などに使った」と述べたという。ただし、ドゥルキングことキム氏が、ノ議員の夫人の随行秘書兼運転手であった経共会会員C氏に200万ウォンを渡した事実が認められ、ドゥルキングことキム氏は罰金刑を受けた。

 最近特検チームは、経共会会員のD弁護士が当時5千万ウォンのうち4190万ウォン余りが戻ってきたかのように口座内訳を操作して、捜査機関に虚偽の証拠を出した手がかりを確保し、全面再捜査に着手した。この過程でノ議員が2016年3月に経共会の根拠地である京畿道坡州(パジュ)のヌルプナム(楡)出版社事務室で2千万ウォンを直接受け取り、3千万ウォンはノ議員の夫人の運転手を通じて渡された情況を把握したと伝えられた。

 ノ議員は4月、警察の捜査段階で「いかなる不法資金も受け取っていない」として疑惑を否認し続けてきた。しかしその後、ドゥルキングことキム氏が「ノ議員に経共会の講演料名目で2千万ウォンを追加で渡した」と述べた内容が報道され、ノ議員としては大きな負担を感じたとみられる。

 特検チームはその間、ノ議員の名前を名指しはしなかったが“疑惑の立証”に自信を見せてきた。特検チームは17日未明、D弁護士を緊急逮捕した後、ノ議員側に対しても「当然調査しなければならない」として捜査が差し迫っていることを示唆した。19日、D弁護士の逮捕状は棄却されたが、ノ議員が特検フォトラインに立つのは既成事実化された状況だった。

ヒョン・ソウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/854535.html韓国語原文入力:2018-07-23 19:18
訳J.S

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