20日午後5時20分頃、慶尚北道浦項市(ポハンシ)南区の海軍第6航空戦団内の飛行場には、17日に墜落した海兵隊上陸機動ヘリコプター「マリンオン」(MUH-1)の残骸が散らばっていた。胴体は火に焼けて識別できないほどだった。胴体の車輪は天に向かっていた。燃えなかった胴体後尾2メートルでの部分を見て、やっとヘリの残骸であることが分かるほどだった。ローター(プロペラ)の1つは胴体から北に20メートル地点に、残りのローター3つは胴体から南に10メートルの地点に落ちていた。この全体の残骸は黒い幕で囲まれていた。
海兵隊司令部は、ヘリ墜落事故から3日後の同日午後5時、マスコミに初めて事故現場を公開した。海兵隊は同日、事故現場をマスコミに公開することを求める死亡した将兵の遺族らの要求を受け入れた。ところが、マスコミに事故現場を公開した時間は10分程度だった。また、海軍憲兵の接近禁止の帯が張り巡らされており、ヘリの残骸から10メートル以上離れて見るしかなかった。 同飛行場には飛行が禁止された海兵隊所属の残りの「マリンオン」ヘリ3台も待機していた。
ヘリ墜落事故で死亡した将兵5人の遺族21人は同日午後5時50分、海兵隊第1師団ドソル館で記者会見を開き、徹底した真相究明と責任者の処罰▽当局の責任ある謝罪▽公正で透明な事故調査委員会の構成▽マリンオン制作社「韓国航空宇宙産業」の公式謝罪と調査への協調▽調査委員会の調査過程と内容を持続的にマスコミと遺族に公開することなどを要求した。
事故で死亡したパク・ジェウ上等兵(20)の叔父、パク・ヨンジン弁護士(42)は記者会見で、「公正かつ透明な事故調査のために、海兵隊事故調査委員会の調査委員長は遺族らが指定する人物にし、調査委員会は韓国航空宇宙産業を始めとする利害当事者を排除して、遺族が推薦する中立的な民間専門家らを全体委員の半分以上で構成することを要求する」と話した。
同日の記者会見で、故パク・ジェウ上等兵の父親パク・ヨンホさん(50)は「国防の義務を果たすため、わが子を軍隊に送り出したのに、除隊7カ月を残して冷たい遺体となって帰ってきた」と悲痛な心境を語った。記者会見直後、パクさんはハンギョレの記者に「先月9日、海兵隊第1師団で息子に会ったが、当時息子は『(マリンオン)ヘリコプター2台が入ってきたが、1台の状態が良くないため、運航していない』と話した。これは部隊内の多くの将兵が知っていた。このような問題のあるヘリになぜ息子を乗せたのか、理解できない。息子は明日(21日)から休みを取っていた」と話しながらすすり泣いた。