国軍機務司令部が昨年3月、憲法裁判所の朴槿恵(パク・クネ)前大統領弾劾審判が下される直前、弾劾棄却の決定を不服とした国民が大統領府と憲法裁への進入を試みることに備え、戒厳令の宣布を検討していたことが確認された。
共に民主党のイ・チョルヒ議員が5日に公開した機務司令部の「戦時戒厳および合同捜査業務の遂行案」によると、機務司令部は「首都防衛指令官を衛戍司令官に任命」し、「大規模なデモ隊が大統領府への進入を試みる際は、衛戍令発令を検討」する計画を提示した。また、状況が悪化すれば、「警備戒厳」から「非常戒厳」へと次第に拡大し、「光化門(クァンファムン)には3個旅団、汝矣島(ヨイド)には1個旅団が担当」するという具体的計画も立てた。同文書は、当時ジョ・ヒョンチョン機務司令官がハン・ミング国防部長官に報告した。
同文書は、憲法裁が朴前大統領弾劾訴追案を棄却するという見通しをもとに作成された。機務司令部は、文書で「弾劾審判の結果に従わなかった大規模なデモ隊がソウルを中心に集結し、大統領府や憲法裁判所への進入・占拠を図り、政府(警察)が大規模なデモを遮断すると、国民感情が爆発して同調勢力が急激に集まり、火炎瓶の投下など過激行動が深刻化」するだろうと見通した。
機務司は軍令権のない陸軍参謀総長が衛戍令による兵力の出動を命令するのが違法という点まで認知し、これを迂回する方法まで提示した。国軍組織法では、独立戦闘旅団級以上の部隊移動は国防部長官の承認事項であるからだ。にもかかわらず、機務司令部は「陸軍参謀総長の承認後、合同参謀議長や(国防)長官の承認を受けて論議の素地(を)解消」すればいいと書いた。1979年の新軍部の12・12クーデターの際、全斗煥(チョン・ドゥファン)保安司令官が軍を動かした後、チョン・スンファ当時陸軍参謀総長とチェ・ギュハ元大統領に事後承認を受けようとした事例と似たような手続きを検討したものである。
イ・チョルヒ議員は「不法政治介入や民間人査察に加え、軍政画策計画まで、とんでもないことを進めてきた機務司令部には解体に準ずる改革が急がれる」と話した。