外国の代替服務制度はどのように運営されているだろうか。兵務庁の資料によれば、徴兵制をとっている59カ国のうち、20カ国あまりが良心的兵役拒否に対する代替服務制を導入している。病院や療養機関など公共福祉・社会福祉分野などに代替服務者を投じる形だ。1998年、国連人権委員会は「良心的兵役拒否の趣旨に符合する代替服務を導入するものの、懲罰的な性格ではない非戦闘的性格であるべきで公益的でなければならない」と決議したことがある。
ドイツの場合、リハビリセンター、幼稚園、療養院などの公共福祉分野での代替服務を許容している。イタリアは、文化遺産を保護したり災害発生時の緊急対処が必要な分野に代替服務者を投じている。ただし、戦争が起きた時は代替服務者も民間人保護業務や赤十字活動に配分するように定めた。
台湾は、比較的広範な分野で代替服務制度を活用している。代替服務者は、警察や消防など社会治安分野で仕事をしたり、病院、養老院、療養施設などの施設で奉仕する。矯正施設活動、科学研究などの教育奉仕をしたり、火災防止、公共の建物を管理する活動もできる。相対的に代替服務期間が長いギリシャは、郵便局や裁判所などの行政機関で勤めたりもする。ギリシャ・スイスなどは通勤を原則としているが、台湾は寄宿舎生活をするなど勤務形態も多様だ。
代替服務制を導入した国家は、代替服務が兵役忌避の手段として悪用されることを防止し、現役軍服務との公平性を備えなければならないという観点から代替服務期間を現役より長く設定している。スイスは、現役(390日)より約1.5倍長く勤め、ギリシャの代替服務期間は23カ月で現役服務期間の1.9倍だ。しかし、次第にその期間を短縮すべきだという指摘が増えている。ドイツ(9カ月)やノルウェー(12カ月)の場合、現役服務期間と代替服務期間は同じだ。現役服務中にも代替服務の申請が可能な国もある。
良心的兵役拒否権は、宗教的理由以外の事案に拡大される傾向だ。ギリシャ・スイス・フィンランド・ドイツなどが非宗教的理由による兵役拒否を認めている。良心的兵役拒否者を審査する機関を設置して、兵役拒否理由に対する真偽を決める方式だ。ギリシャは、兵務局特別審査委で1次書面審査、2次面接審査を経るが、銃器所持記録など暴力に関連する前科記録を綿密に検討する。