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「兵役拒否」14年間無視した最高裁、7年間沈黙し続ける憲法裁を刺激できるか

登録:2018-06-18 05:55 修正:2018-06-18 07:10
最高裁全員合意体で議論される「良心的兵役拒否」 
憲法裁での2回の公開弁論・法改正を試みる 
いずれも憲法裁・国会などで挫折 
下級審の無罪判決は6月現在で89件 
「認めるべき」との世論、11年間で4倍に増加 
8月の最高裁判事の交代期が追い風になるかに注目
世界兵役拒否者の日の昨年5月15日、ソウル光化門広場で国際アムネスティが開いた記者会見で、兵役の拒否に処罰を受けたり裁判中である良心的兵役拒否者らが兵役拒否者に対する処罰の中止と代替服務制の導入を要求する街頭パフォーマンスをしている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 最高裁判所が17日、良心的兵役拒否事件を14年ぶりに全員合議体(全合)で議論する方針を決めると共に、8月末に公開弁論まで予告し、2004年に最高裁判所が下した結論が今回変わるかに注目が集まっている。

■最高裁判所に係留中の関連事件は200件超

 良心的兵役拒否が公開討論の場に登場するのは、今回が初めてではない。しかし、この問題を解決できる最高裁判所や憲法裁判所、国会の敷居を超えたことはなかった。

 最高裁判所は2004年7月に全員合議体で「良心の自由が国防の義務に優先することはできない」との判断を示し、昨年7月の関連事件の判決まで同じ態度を維持した。現在、最高裁判所に係留された関連事件(兵役法・予備軍法違反)は210件を超えたという。しかし、その間、良心的兵役拒否、下級審無罪判決は2007年の1件から、2015年に6件、2016年に7件、2017年に44件、2018年6月現在28件に増えた。国家人権委員会の国民人権意識調査によると、良心的兵役拒否を認めるべきという回答が2016年には46.1%で、2005年(10.2%)に比べて4倍近く増えた。最高裁判所が今回事件を全員合意体で議論することにしたのは、このように良心的兵役拒否に対する世論の視線が変わって代替服務制の導入を求める声が高まった状況を考慮したものとみられる。

 最高裁判所が前向きな態度を見せていることで、憲法裁判所の足取りにも拍車がかかるものと見られる。憲法裁は2010年と2015年に公開弁論を開き、入営・召集通知書を受けて正当な事由なしに応じない場合、3年以下の懲役刑に処することを定めている兵役法第88条が違憲かどうかを審理した。しかし、憲法裁は2004年に続き、2011年にも7対2の意見で兵役法第88条に合憲の決定を下した。「南北対峙の特有な安保状況、代替服務制度の導入時に発生する兵力資源の損失などを考慮すれば、判断を簡単に下すことはできない」との理由からだった。それ以降も該当条項に対する違憲法律提案や憲法訴願が相次いでいるが、憲法裁は7年間にわたり沈黙を守っている。法曹界では、今回の最高裁判所の判決が憲法裁の審理の“速度”に影響を与えるだろうと予想している。「最上級裁判所」のプライドをかけた争いになりうるとみているのだ。

 国会でも立法的解決案をめぐる議論が続いている。第20代国会でも、共に民主党所属のチョン・ヘチョル、・パク・ジュミン、イ・チョルヒ議員らが代替服務制の導入を柱とする兵役法改正案を発議した状態だ。

■最高裁判事の交代期迎え、“追い風”吹くか

 今回の事件の主要争点は、良心の自由を兵役法と予備役法が規定する入営・召集・訓練拒否の「正当な事由」として認定するかどうかだ。裁判官9人のうち6人以上が賛成しなければならない憲法裁判所と異なり、最高裁判事13人が多数決で決める全員合意体では7人が支持するかどうかがカギとなる。

 最高裁判所が公開弁論の時期を8月末に予告したのも、注目される部分だ。現在の裁判官のうちコ・ヨンハン、キム・シン、キム・チャンソク最高裁判事は8月2日に退任する。市民社会では「バッググラウンドと経験が多様な最高裁判事が任命され、社会的弱者や少数者を配慮する判決が出なければならない」と指摘する声が上がってきた。最近任命された最高裁判事らも人事聴聞会で「裁判所も解釈論に基づき、(良心的兵役拒否が入営拒否の)正当な事由に該当するかどうかをさらに積極的に考える必要がある」(チョ・ジェヨン最高裁判事)、「最高裁判所の全員合議体で論争を終わらせる必要がある」(パク・ジョンファ最高裁判事)」と答弁し、司法部の態度の変化を強調した。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/849482.html韓国語原文入力:2018-06-18 05:00
訳H.J

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