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ムン・ジョンイン教授「朝米対話、近い将来再開されると楽観」

登録:2018-05-25 23:55 修正:2018-05-26 08:31
国会討論会基調講演で楽観的展望 
「脈絡が良い状況で起きただけに肯定的」 
文大統領に「構図を生かすため積極的努力」注文 
「朝米会談中止は議題の調整とメッセージ管理の失敗が理由」
ムン・ジョンイン延世大名誉特任教授が25日、国会議員会館で開かれた「南北首脳会談と朝鮮半島の未来」討論会で基調講演をしている=キム・キュナム記者//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領の「6・12朝米首脳会談」取り消しと関連して、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の外交安保特別補佐官であるムン・ジョンイン延世大名誉特任教授は「悲観的に見ない」として「交渉再開を通じて米国の11月中間選挙前に肯定的な(交渉)結果をもたらすために、トランプ大統領が北との対話を近い将来再開すると見る」と明らかにした。朝米首脳会談の再開時点についてムン教授は「板門店(パンムンジョム)宣言では年内に終戦宣言をするとされていて、トランプ大統領も終戦宣言に同意した」として「遅延させても米国も北朝鮮も得することがなく熱が冷める前に意外に早く再開になるのではないか」と見通した。

 ムン・ジョンイン教授は25日、国会議員会館で開かれた「南北首脳会談と朝鮮半島の未来」討論会(社団法人 我が国研究所、ウ・サンホ共に民主党議員主催)の基調講演で「もし北朝鮮が核実験を続けておりミサイルを発射する過程で交渉突破口が用意された状況でこうした事態が起きたとすれば心配しただろう」とし「だが、北朝鮮が抑留された韓国系米国人3人を解放し、豊渓里(プンゲリ)核実験場を自発的かつ先制的に廃棄するなど、北が良い態度を見せているため、こうした“脈絡が良い状況”で起きていることなので私は肯定的に見る」としてこのように明らかにした。

 ムン教授は、肯定的な展望の主な根拠として、トランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長に送った書簡で「気持ちが変われば手紙でも電話でもしなさい」と述べ、またその後のホワイトハウス記者会見で北朝鮮といくらでも対話する用意があると述べた点▽マイク・ポンペオ米国務長官とキム・ヨンチョル北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長のコネクションが生きていて、米国がホワイトハウス秘書室次長と安保室副補佐官を中心に予備接触の要人を選定しているなど、指導者が意志さえ示せば簡単に再開する対話チャンネルが用意されている点▽「トランプ モデル」の輪郭が見える点を上げた。

 ムン教授は「トランプ モデル」と関連して「誰もその答を与えられなかったが、22日の文在寅大統領の米国訪問でその輪郭が出てきた」と述べた。ムン教授は、以前は非核化の“一括妥結”を主張していたトランプ大統領が、米国のフォックステレビとのインタビューで、“段階的接近”を初めて発言した点▽以前は「先核廃棄、後見返り」を主張していたトランプ大統領が、22日に文大統領に会った時「北朝鮮が非核化の行動を具体的に示せば、米国は体制保障、経済支援、終戦宣言、平和条約締結などが可能」と述べたが、これは北朝鮮が主張した「段階的同時交換方式」と相当な共通点があると見える点▽ムン教授自身が5月初めにワシントンを訪問してホワイトハウスの高位要人と面談して「米国は時間的余裕がなく(朝米首脳会談の)準備があまりうまくいっていないのではないか」で尋ねた時「ホワイトハウス-国務省-エネルギー省が共同でよく準備している」と答えた点を逐一挙げて「こういうことが“トランプ モデル”の要素と見られる」と分析した。

 ムン教授はさらに「トランプ大統領はイラン核協定から脱退し、北朝鮮とも破局をむかえるならば、イランと北朝鮮に同時に対処しなければならなくなるが、米国の中間選挙が11月にある」として「イランとは戻れない橋を渡ったが、北朝鮮とはいくらでも交渉再開を通じて肯定的な結果を持たらすことができる。米国の国内政治を見ても、トランプ大統領が北朝鮮と近い将来対話を再開すると見る」と付け加えた。

 ムン教授は、トランプ大統領が電撃的に「6・12朝米首脳会談」を取り消した理由に対する分析も提示した。ムン教授は「書簡に現れた表面的理由は北朝鮮の“極度の怒り”と“公開的な敵対感”だ。私が復碁しながら取材したところ(朝米間の)議題調整がうまくいっていなかった」と話した。ムン教授は、完全で検証可能で復帰不能な廃棄(CVID)をするのかどうか、“先廃棄-後見返り”なのか“核廃棄と補償を同時交換”するのかなど種々の議題に対して朝米間で調整がうまくできていないと見られる点▽米国ののジョン・ボルトン国家安保補佐官とマイク・ペンス副大統領の“リビア モデル”発言、この二人に対する北朝鮮のキム・ケグァン外務省第1相とチェ・ソンヒ外務省副相の批判など、米国も北朝鮮も“メッセージ管理”に失敗したと見られる点▽まだ朝米首脳会談の条件が成熟していないと判断する“強硬派”のボルトン補佐官とペンス副大統領の影響が強く作用したと見られる点が、トランプ大統領の“変心”の背景だと分析した。

 ムン教授は「今月11日、米国が朝米首脳会談の場所と時間を明らかにしてから、朝米間の実務接触がまともに進まなくなった」として「トランプ大統領が、もう少し時間をとって北朝鮮との議題調整をした後に首脳会談をした方が良いと考えたのだろうし、参謀陣もそう話したものと推定される」と説明した。

 「6・12朝米首脳会談」取り消しという“突発状況”をどのように管理すべきかについての方案も提示された。ムン教授はまず「北朝鮮が自制しなければならない」と指摘した。彼は「幸い今日のキム・ケグァン副相の談話を見れば、非常に精製されている。それも、金正恩委員長の委任を受けて出た談話」として「精製された表現で米国との対話意志を強く示した」と肯定的に評価した。キム・ケグァン副相がこの日午前「私たちは常におおらかで開かれた心で米国側に時間と機会を与える用意がある」として、朝米首脳会談を再開する意志を込めたと分析される談話を発表したが、ムン教授がこれに対して言及したのだ。

 ムン教授はまた、文在寅大統領の積極的役割を注文した。ムン教授は「文大統領が金正恩委員長と対話して、その結果を持ってトランプ大統領と対話するなど、現在の構図を生かすために積極的に努力しなければならない。今ここまで来れたのは文大統領の貢献のため」とし「今は挫折があろうとも文大統領がそうした役割をしなければならない」と強調した。ムン教授は、韓国政府に力を与えなければならないとも提案した。彼は「トランプ大統領は、価格に不満がある時、名刺を渡しながら「気が変わったら私に電話してください」というやり方で不動産事業をした方だ。今回もそれと似ている」として「(朝米間の)考え方が合わず敵対的言辞が行き交うと、気が変わったら連絡しろということ」と話した。

 ムン教授はさらに「トランプ大統領はまた、放送リアリティーショーでM.C.を務めた方なので、短い言葉で劇的にこのようにするのは、リアリティーショーでの演技者的要素があらわれたと見る」と付け加えた。ムン教授は「トランプ大統領の取り消し以後、今ホワイトハウス側では『うまくいくだろう、すぐに首脳会談が開かれることもありうる』というメッセージをいろいろな所に送っているようなものだ。そう見れば失望する必要はない。希望を持とう」として「忍耐心を持って韓国政府に力を与えなければならない」と述べた。

キム・キュナム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/846306.html韓国語原文入力:2018-05-25 20:06
訳J.S

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