情報警察が政党や報道機関、学校、市民団体など民間機関に日常的に出入りしてきた慣行が全面中断される。警察改革委員会(委員長パク・ジェスン)は2日、こうした内容を骨格とする情報警察改革小委員会の暫定案を受け入れた「情報警察改革案」を発表した。
警察改革委は、政党、報道機関、宗教、大学などに日常的に出入りしてきた警察情報官の業務を廃止することを勧告した。改革案には、世論の動向を把握し“上層部”に報告してきた政策情報収集も禁止し、公職候補者に対する身元調査業務も他部署に移管する方案も含まれた。集会・デモと関連した情報収集業務も警備など警察内の他部署に移管し、外勤の情報官が隠密性を維持するために使った「情報分室」も廃止するよう勧告した。
警察はこうした内容の改革案をすべて受け入れると明らかにした。イ・チョルソン警察庁長官は「これまで情報警察の査察論議などが提起されてきており、国民の基本権保障を相対的におろそかにしてきたという批判を謙虚に受け入れる」として「情報警察の刷新方案を用意し、国民のための警察として出直すことを約束する」と明らかにした。
警察は具体的な実行計画も出した。まず、民間領域に対する情報官の出入りを即刻中断し、10月までに具体的な出入り指針を用意することにした。また、政策情報などの移管作業は今年中に部署間協議を経て確定する方針だ。
上部への報告後、記録が即時廃棄される事例が多く、情報警察の活動内訳は事後に確認することさえできなかった「情報報告書」の管理慣行も変えることにした。警察は年内に情報電算システム関連規則を制定し、情報実名制、履歴制などを含む「情報記録物管理総合計画」を用意することにした。
ただし、情報を生産・管理する“コントロールタワー”として、政治権力との癒着の通路として名指しされた警察庁情報局は、名称を変えて維持することにした。そのため、市民社会を中心に「不十分な改革案」という評価が出ている。警察改革委員であるヤン・ホンソク弁護士は「不十分だという一部の指摘にも共感する。ただし、今回の改革案で過去の情報警察の弊害を一定程度は解消できるという期待はある」と話した。