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韓進一族の言葉だけの“反省”…「三兄妹は経営から手を引くべき」非難世論高まる

登録:2018-04-17 06:18 修正:2018-04-17 08:47
オーナー一族の横暴の悪循環を断ち切るためには 
 
次女チョ・ヒョンミン専務の肉声ファイルで波紋広がると  
大韓航空の社員「大声には慣れている」  
韓進グループの三兄妹、非倫理的前歴再び話題に  
「大韓航空の名称、回収すべき」との国民請願  
政界「何事もなかったかのように経営復帰してはならない」
グラフィック=チャン・ウニョン//ハンギョレ新聞社

 2014年12月12日、チョ・ヤンホ韓進(ハンジン)グループ会長は長女のチョ・ヒョナ元大韓航空副社長の「ナッツ・リターン」事件が呼び起こした社会的公憤を静めるため、直接頭を下げた。チョ会長は「私の娘の愚かな行動で大きな物議をかもしたことについて、心からおわび申し上げる」とし、「私が教育を誤った。こうしたことは二度と起きないよう、最善を尽くす」と述べた。2015年の新年の辞では、再び役員や社員らに謝罪し、「疎通委員会」を構成して企業文化を刷新すると強調した。

 3年あまりが過ぎた今、ナッツ・リターン事件で頭を下げたチョ・ヤンホ会長の反省は言葉だけのものに過ぎなかった。外部の人物を迎え入れて疎通委員会を作るという計画はうやむやになった。また、役員や社員が匿名で参加できる社内掲示板の「疎通広場」もオーナー一族を全くけん制することができなかった。大韓航空のある社員は「オーナー一族や幹部らに不合理なことをされても、そんなことを言及できる仕組みがない」と話した。結局、チョ会長の反省と再発防止の約束はなかったことになり、ナッツ・リターン事件で執行猶予状態であるチョ元副社長は、この3月、KALホテルネットワークの社長に電撃復帰した。

 このように牽制と意思疎通ができない状況で、チョ・ヒョンミン大韓航空専務(35)の「水かけ横暴」が再び起きたことを受け、チョ会長一家の“言葉だけの反省”に対する批判の声がさらに高まっている。今月14日にはチョ専務と推定される女性が大韓航空本社事務室で役員や社員を罵倒しながら大声を上げる肉声ファイルが公開されるなど、内部告発も続いている。大韓航空のある社員は「チョ専務の大声には慣れている」と話した。チョ専務を含めて「韓進3兄妹」の過去の横暴も再び話題にっている。

 繰り返されるオーナー一族の横暴を巡り、彼らが会社を自分の私有物と見なしているためという指摘もある。チョ・ヒョナ社長がナッツ・リターン事件当時、乗務員をひざまずかせたり、30代のチョ専務が年上の役員に対等の話し方でものを言うなどの行為は、一緒に働く仲間を会社の利害関係者ではなく、上下関係として見ているからということだ。参与連帯経済金融センターのキム・ウンジョン幹事は「財閥オーナー一族はこれまで少ない持分で会社を私有化しており、役員や社員に対して人事権を行使するなど、構成員に対する専横が蔓延していた」とし、「財閥改革に対する諸課題のうち、企業オーナー一族の横暴をけん制する法と制度的方法が提示されたが、実際に実行される仕組みが作られなければならない」と指摘した。

 彼らの行動は会社のブランドイメージの失墜につながり、これによって、役員や社員らが被害を受ける「オーナー・リスク」をもたらしている。大韓航空の3つの労組である大韓航空労働組合や大韓航空操縦士労働組合、大韓航空新労働組合が15日、異例的に共同声明を発表し、チョ・ヒョンミン専務の辞退を要求した。3つの労組は「大韓航空の経営層の横暴をめぐる議論に対する声明書」を発表し、「(チョ専務が)連日、検索語ランキングの第1位に上がり、続報が絶えない経営層の横暴問題と、会社(大韓航空)名称の回収に対する国民請願の中、現場で汗を流して働いてきた2万人以上の社員までもが国民の指弾を受けるに至った。さらに、6万家族の人生そのものが脅かされている」と批判した。さらに、「我々社員は世界の空を開拓し、大韓民国の地位を高めてきたという自負心を持っており、顧客たちの快適で安全な空の旅のため、最善を尽くしてきた」とし、「すべての努力がチョ・ヒョンミン専務の誤った行動で崩れ落ちており、恥を感じる」と指摘した。しかし、大韓航空の社名のはく奪を求める国民請願に対しては、「2万人以上の社員は『大韓航空』という会社名称の持続的な使用を切に望んでいる」と訴えた。

 政界でも強力な叱咤と制裁の声があがった。秋美愛(チュ・ミエ)共に民主党代表は16日、国会で開かれた最高委員会会議で「財閥家の子女の横暴は昨日今日のことではないが、チョ・ヒョンミン専務の行動は国民に衝撃を与えた」とし、「経営能力だけではなく、倫理意識が足りない人が、経営権にただ乗りすることがあってはならない」と明らかにした。イ・ジョンミ正義党代表は「ナッツ・リターン事件のチョ・ヒョナ元副社長のように、チョ専務も何年か経つと何事もなかったかのように戻ってくる可能性が高い」とし、「この悪循環を断ち切るためには、チョ兄妹が大韓航空と系列会社の経営から手を引くことしかない」と話した。

パク・スジン、キム・テギュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/840808.html韓国語原文入力:2018-04-16 23:30
訳H.J

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