カン・ギョンファ外交部長官と河野太郎外相が11日、韓日外相会談で南北、朝米首脳会談を控えたこの時期が“歴史的機会”であるという認識を共にし、「(北朝鮮の)非核化と朝鮮半島平和定着という目標を両国が共有した」と外交部が伝えた。日本外相の韓国訪問は、2015年12月に岸田文雄当時外相が韓日政府間「慰安婦」問題の合意を発表するため訪韓して以来2年4カ月ぶりだ。
この日午前、ソウル世宗路(セジョンノ)の政府ソウル庁舎で会った両外相は、約一時間ほど行われた会談で「南北、朝米首脳会談が続くこの時期が、とても要となる時期であり分岐点で、歴史的機会だということで意思を共にした」と、会談に同席した外交部当局者が明らかにした。この当局者によれば、河野外相は「北朝鮮の具体的(非核化)行動がある時まで、北朝鮮に対する制裁と圧迫は持続しなければならない」として「CVID(完全、検証可能、不可逆的な非核化)に代弁される北朝鮮の核・ミサイル問題の完全な解決が必要だ」と述べた。さらに「核問題、ミサイル問題、拉致問題という一連の問題が包括的に解決されなければならないという日本政府の基本立場には変わりがない。南北首脳会談を契機に北朝鮮側に伝えてほしい」と要請もした。
これに対しカン長官は「非核化の実質的進展があるまで北朝鮮に対する制裁・圧迫は維持するという立場に変わりがない」として「南北関係は非核化とは別に進めることができないという政府次元の明確な認識の下に、南北首脳会談を準備している」と説明した。日本の「伝言」要請に対してカン長官は「拉致被害者、離散家族問題は共に人道的問題」として「私たちとしては、こうした人道的問題の重要性をよく知っており、人道的問題解決のためにこれまでも努力してきたし今後も努力する」と原則的に答えたと外交部側は伝えた。両長官は27日の南北首脳会談と、17日の米日首脳会談の過程で十分に情報共有をして、韓日、韓米日の協力を強化することにも志を一つにした。
河野外相はこの日、カン長官との会談に先立って、ソ・フン国家情報院長とも面談して、南北首脳会談の準備状況などについて話を交わしたことが分かった。
北朝鮮の核・ミサイル問題の他にも、この日両長官は両国の未来指向的関係発展のために協力することにしたと外交部側は明らかにした。特に、金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が1998年に結んだ「21世紀新しい韓国・日本パートナーシップのための共同宣言」20周年を迎え、両国関係発展の青写真を作るために局長級協議を始めることにした。
日本軍「慰安婦」問題など過去の問題については、河野外相が「韓日慰安婦合意の履行が必要だ」と話したが、カン長官は韓国政府の基本的立場を明らかにしたと外交部当局者は伝えた。これに先立って文在寅(ムン・ジェイン)政府は、2015年の合意が両国間の公式的合意だっただけに再協議は要求しないが、この合意で「慰安婦」問題は解決されていないという立場を明らかにしたことがある。また河野外相は、韓国の国会議員による独島(ドクト)訪問計画に対して反対する立場を表明し、釜山総領事館前にたてられる強制徴用労働者像に対する立場も伝えたという。
河野外相は続けてこの日午後2時20分頃、長嶺安政・駐韓日本大使などと共に国立ソウル顕忠院を訪問し参拝した。日本の外相が顕忠院を訪れたのは、2004年に町村信孝当時外相が訪問して以来14年ぶりだ。