79日ぶりに開かれた2回目の高官級会談で、南北は4月27日、板門店(パンムンジョム)で首脳会談を開くことで合意した。今年1月9日、最初の高官級会談が開かれる時は、想像もできなかったスピード感だ。南北の最高指導者が談判した後は、5月に史上初の朝米首脳会談が続く。わずか1年前まで「戦争危機説」が流れていた朝鮮半島が、平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に冷戦体制の解体に向けて大きく前進している。
29日、板門店北側地域の統一閣で開かれた高官級会談で、南側首席代表のチョ・ミョンギュン統一部長官は「1月9日以来、これまで3カ月にも満たない期間」だとし、「この期間中に進められた様々な南北間の出来事を振り返ると、『始まりが半分』(始まりが大事)という言葉以上の良い成果が多かった」と述べた。北側代表団長のリ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長も「約80日間でかつて北南関係では一度もなかった画期的なことがたくさん起きた」とし、「朝鮮のことわざにあるように、共に心と志を同じく努力と力を合わせたからこそ、平昌をはじめ、民族史に残るそのような記録が実現したと思う」と答えた。
南北は同日、昼食も取らず、急ピッチで首脳会談の日程など3項目の共同報道文に合意した。首脳会談の議題と関連し、共同報道文に具体的には盛り込まれなかったが、会談がスムーズに行われたことから、大きな隔たりもなく意見が一致したものとみられる。チョ長官は会談後のブリーフィングで「首脳会談の議題について十分な意見交換が行われた」とし、「北側の考えも私たちとあまり変わらない」と述べた。
これに先立ち、政府は首脳会談の議題として、朝鮮半島の非核化▽平和定着▽南北関係の発展など、3つを挙げた。この3つは歯車のようにかみ合っている。北朝鮮が非核化の道に入るためには、北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、体制安全が保障されなければならない。これが先行されてこそ南北関係を画期的に進展させることができる。国際社会の対北朝鮮制裁局面では、南北関係の発展にも明確な限界があるからだ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長も今月5日、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長率いる特使団と面会した際、「軍事的脅威が解消され、体制安全が保障されれば、核を保有する理由がない」と述べた。
したがって4月末の首脳会談では、非核化や平和、南北関係を三軸として、南北の最高指導者が直接談判することになるものとみられる。南北関係の発展については意見の相違がないだけに、結局非核化と平和定着を交換できる“妙案”を見出せるかがが鍵となる見通しだ。5月に予定された朝米首脳会談の議題を南北が示すべきということだ。
来月にも首脳会談の準備に向けた南北間接触が慌ただしく続く見込みだ。この日南北で合意した通り、来月4日には儀典や警護、報道に関する実務会談が予定されている。両首脳が会談に先立ち、電話会談を開くことにした「ホットライン」(直通電話)の設置に向けた通信実務会談も、日程を決めなければならない。首脳会談を控え、高官級会談も追加で開かれるものとみられる。チョ長官は「文在寅大統領と金正恩国務委員長が初めて顔を合わせる場であるだけに、互いに心を開いてあらゆる問題を十分に議論できるようにする方向で首脳会談を準備していこうと北側が話した」とし、「そのような観点から、必要ならば4月中に再び南北高官級会談を行い、そのような問題を整理していくことで共感した」と述べた。