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文大統領「不幸な歴史について遺憾の意を表する」ベトナム民間人虐殺を謝罪

登録:2018-03-24 04:15 修正:2019-02-18 14:54
クアン国家主席との首脳会談で明らかに  
金大中・盧武鉉元大統領に続き3番目の表明  
大統領府「真相調査・賠償伴わず  
公式謝罪ではなく遺憾表明のレベル」  
ホー・チ・ミン芳名録に「愛民精神心に刻みます」
ホー・チ・ミンの銅像の下で文在寅大統領とベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が今月23日午前(現地時間)、ベトナム・ハノイの主席宮で開かれた了解覚書(MOU)締結と共同記者会見で握手している=ハノイ/キム・ギョンホ記者//ハンギョレ新聞社

 ベトナムを国賓訪問中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が23日(現地時間)「我々の心に残っている両国間の不幸な歴史について遺憾の意を表する」と明らかにした。韓国軍のベトナム戦参戦と民間人虐殺に対する包括的な謝罪の意味を盛り込んだものと見られる。ベトナム戦争と関連し、韓国大統領が遺憾を表明したのは金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領に続き、文大統領が3番目だ。

 文大統領は同日、ベトナム主席宮で開かれたチャン・ダイ・クアン国家主席との首脳会談でこのように述べた後、「両国が未来志向的な協力増進のために力を合わせて行くことを望んでいる」と付け加えた。これに先立ち、文大統領は昨年11月、ベトナム・ホーチミン市で開かれた「ホーチミン・慶州世界エキスポ2017」行事に送った映像祝辞で、「韓国はベトナムに『心の借り』がある」と言ったことがある。韓国軍は1964年9月から1972年まで約31万2千人をベトナムに派兵した。この期間中の韓国軍によるベトナム民間人虐殺は80件で、被害者数は9千人以上に達するものと推定される。クアン主席は、文大統領の遺憾表明に「ベトナム戦争の過去の歴史に対する韓国政府の真心を高く評価する。過去の痛みを治癒し、両国間の友好関係を強固なものにし、共存協力を強化するため、韓国政府がさらに努力してほしい」と述べたと、キム・ウィギョム大統領府報道官が伝えた。

 文大統領は当初、今回のベトナム訪問で民間人虐殺について公開かつ明確な謝罪を行う意向を示したという。しかし、ベトナム政府が民族内部の戦争という問題が浮き彫りになることを懸念し、難色を示したため、謝罪のレベルが大幅に調整されたという。大統領府関係者は「公式謝罪といえば、政府レベルの真相調査と賠償などが伴わなければならないが、その意味で、今回は公式謝罪ではない」とし、「前回と同じレベルの遺憾表明」だと話した。文大統領が重ねて「遺憾」を言及したのは、新南方政策の核心パートナーであるベトナムと未来に進むため、加害者として歴史問題を明確に清算しなければならないという認識に基づいたものと解釈される。韓国内でも「ベトナムに公式謝罪しなければならない」という声が高まってきた。

 これまでベトナム戦争、民間人虐殺に対する韓国政府レベルの公式謝罪はなかった。金大中(キム・デジュン)元大統領は1998年12月、チャン・ドゥック・ルオン主席との首脳会談で、「両国が不幸を経験した時期があった」と述べており、2001年には「不本意ながらベトナム国民に苦痛を与えて申し訳なく思っている」と話した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領も2004年にベトナムを訪問し、「韓国国民には(ベトナム国民に対し)心の借りがある」と述べた。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)元大統領は(ベトナム戦争当時の民間人虐殺について)言及しなかった。文大統領は同日の首脳会談に先立ち、ベトナム独立の英雄であり、国父と崇められているホー・チ・ミン元主席の墓に献花し、午後には、生前の彼の執務室などを訪れた。文大統領は芳名録に「国民と共に生き、共に食べ、共に働いたホー・チ・ミン主席の愛民精神を心に深く刻みます」と書いた。

ハノイ/ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/837479.html韓国語原文入力:2018-03-23 21:37
訳H.J

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