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戦争危機から朝米会談へと一転“激変の68日”

登録:2018-03-10 05:07 修正:2018-03-10 07:12
1月、「関係改善」意志示した北側の新年の辞に南側が応え 
高官級会談・選手団派遣に合意する進展 
2月、平昌五輪を機に金与正特使訪韓など急展開 
3月、特使の訪朝・訪米説明で朝米会談の成果
チョン・ウィヨン国家安保室長が今月8日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領と面会し、話を交わしている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 「それこそ息ぜわしく走ってきた2カ月間だった」

 大統領府関係者は9日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の新年の辞(1月1日)から、この日ドナルド・トランプ米大統領が朝米首脳会談を受け入れるまでの2カ月間について、こう語った。年明けまでは戦争危機に突き進んでいた情勢が、南北、朝米対話へと一転するには、70日もがかからなかった。想像を超える破格と速度だった。

 対話が芽生え始めたのは今年1月1日、金委員長の新年の辞からだった。金委員長は「凍結状態にある北朝鮮内の関係を改善し、意味深い今年を民族史に特記すべき年として輝かせなければならない」とし、「誰にも対話と接触来往の道を開く」と述べた。彼は、平昌(ピョンチャン)冬季五輪への代表団の派遣とこれに向けた南北当局間接触にも言及した。3日後、文大統領はドナルド・トランプ大統領との電話会談で、平昌冬季五輪期間中、韓米合同軍事演習を延期するという合意を引き出した。9日には、板門店(パンムンジョム)でチョ・ミョンギュン統一部長官とリ・ソングォン祖国平和統一委員会委員長を代表とする南北高官級会談が開かれ、南北は「北朝鮮が平昌五輪に閣僚級代表団と選手団などを派遣する」ことで合意した。南北対話の扉が開かれたことを受け、文大統領は10日発表した新年の辞で「今年が朝鮮半島の平和の新たな元年になるように最善を尽くす」と自信をのぞかせた。

 2月に入ってから、対話局面は急速に進んだ。平昌冬季五輪を機に、破格が相次いだ。9日に訪韓した金正恩委員長の実妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会第1副部長は10日、大統領府で文統領と面会を兼ねて昼食を共にし、金委員長の親書と「都合のいい時に北朝鮮を訪問してくださることを要請する」という金委員長の南北首脳会談の提案を伝えた。25日、平昌冬季五輪閉幕式には、金委員長の側近であり、対南事業を総括する金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委副委員長が出席し、文大統領と挨拶を交わした。金副委員長など北側代表団は南側に滞在した2泊3日間、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長をはじめ、ソ・フン国家情報院長、チョ・ミョンギュン統一部長官らに会い、非核化と朝米対話などの懸案と関連した南側の意見を聞いたという。

 3月に入ってからは、具体的な成果が続出した。3月5~6日、北朝鮮を訪問したチョン・ウィヨン国家安保室長とソ・フン国情院長など対北朝鮮特使団は、到着から3時間後に金正恩委員長と面会を兼ねて晩餐を共にし、4月末、板門店での南北首脳会談の開催▽南北首脳間ホットラインの設置▽朝鮮半島非核化に向けた北朝鮮の意思確認▽朝米関係正常化に向けた朝米対話▽対話期間中に北朝鮮の核・ミサイル挑発の中断▽南側のテコンドー演武団と芸術団の訪朝公演など、6項目に合意した。朝米対話の十分な条件が整ったと判断した文大統領は8日、チョン室長とソ院長を米国に派遣した。二人は予定より1日早い8日(現地時間)、ホワイトハウスでドナルド・トランプ米国大統領と面会し、面会開始から45分後に、彼から「恒久的な非核化達成に向け、金正恩委員長と今年5月まで会う」という返答を受けた。今年1月1日から68日後、金与正特使の訪韓から29日後に収めた成果だ。

ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/835452.html韓国語原文入力:2018-03-09 22:14
訳H.J

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