ドナルド・トランプ米大統領が8日(現地時間)、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長の対話提案を受け入れ、5月頃に開かれる歴史的な朝米首脳会談が、どこで開かれるかに関心が集まっている。
ホワイトハウスは「具体的な日程や場所は今後決定する」としながら、詳しい言及は避けた。現時点では平壌(ピョンヤン)、ワシントン、そして“第3の場所”として韓国が議論されている。まず、金正恩委員長の会談提案をトランプ大統領が受け入れただけに、トランプ大統領が平壌を訪問する可能性が提起される。2000年と2007年の二度にわたる南北首脳会談もすべて平壌で開かれ、2000年に成功直前まで行ったビル・クリントン米大統領と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長間の首脳会談も平壌で開催する方向で推進されたことがある。チョン・セヒョン元統一部長官は「金委員長としては北朝鮮が制裁のためでなく戦略的判断によって会談をしようと言ったことを見せるために、トランプ大統領を平壌に呼び入れたいだろう」と分析した。
だが“自尊心の強い”トランプ大統領の性格から見て、本人が自ら平壌を訪問することはないという見方が多い。ややもすれば北朝鮮に頭を下げて入る印象を与えかねないためだ。北朝鮮も、トランプ大統領の平壌訪問を無理強いすることはないと見られる。4月末に予定された南北首脳会談も板門店(パンムンジョム)南側区域の「平和の家」で開かれることに見られるように、金正恩委員長は相手方の平壌訪問に固執してきた金正日前国防委員長とは違いを見せている。とはいえ、金委員長が米国ワシントンを訪問する可能性もやはり高くは見えない。北朝鮮が米国に「降参する」姿に映りかねないためだ。トランプ大統領も金委員長を米国に招請しないと見込まれる。彼は通常、米国を訪問する首脳たちとはホワイトハウスで会談してきた。だが、金委員長をワシントンに招請し、ホワイトハウスで会談をすること自体が北を“正常国家”として認める信号となる。ホワイトハウスでの首脳会談開催の可能性が低い理由はここにある。
このように、会談場所自体が“メッセージ”を含んでいるだけに、朝米が相手方の首都を訪問するよりは、第3の地域である韓国で首脳会談を開く可能性も提起されている。また、“仲裁者”の役割を自任した韓国で朝米首脳会談をする場合、韓国の役割を朝米が認める姿も備えられる。匿名を要請したある北朝鮮専門家は「朝米会談の韓国開催は、南・北・米の皆が考えられる最も合理的な方案」と分析した。1989年、当時ジョージ・ブッシュ米大統領とソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領も第3の場所であるマルタで首脳会談を開催し、冷戦の終息を宣言した事例もある。韓国で開かれる場合、ソウル、または警護が容易な済州(チェジュ)が有力場所に挙げられる。チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院首席研究委員は「済州で開かれる可能性が高く見える」と見通した。ただし、朝米が場所を議論する過程で神経戦レベルの手段として活用する場合、予想外の難関にもなりうる。