米国、チャーター機に対北朝鮮制裁の「例外」認める
南北直航路2年3カ月ぶりに開かれ
襄陽空港から離陸後23分で北朝鮮領空に進入
機長、機内放送で「先駆者たちの血の滲む努力で
ここに来られた感動で胸が一杯」
北朝鮮関係者「また来ると思っていた」歓迎
北朝鮮、19皿のコース料理で昼食もてなし
南側選手ら「雪質がよく訓練しやすい」
分断された江原道北部地域元山(ウォンサン)の馬息嶺(マシンニョン)スキー場で、南北のスキー選手たちが31日午後一緒に雪上で活躍した。南北スキー選手らの1泊2日間の合同訓練が無理なく実現したことで、金剛山(クムガンサン)地域での合同文化行事が急きょ取り消しになったことをめぐる懸念も収まった。
南側選手団を乗せたアシアナ航空のチャーター機は同日午前10時43分に江原襄陽(ヤンヤン)空港を離陸し、23分後の11時6分に北朝鮮領空に進入した。チャ・ホナム機長は機内放送を通じて「今ちょうど(北朝鮮領空を)通過しました。先駆者たちの血の滲むような努力で、ここにまた来られるようになりました。感動で胸がいっぱいです」と話した。
離陸から約1時間10分後の午前11時55分に到着した南側選手団を、キム・チョルギュ葛麻(カルマ)飛行場航空駅長が迎えた。1月23~25日に事前点検のために訪朝した南側先発隊を出迎えたリ・ハンジュン北朝鮮体育省局長も空港に出て、「また来ると思っていた」としながら、スキー協会の関係者らと挨拶を交わした。
簡単な入境手続きを経た後、バス2台に分乗した南側一行は、約40分後に馬息嶺スキー場に到着した。北側が19皿のコース料理でもてなした昼食に、選手団は「こんなに多く出てくるとは思わなかった。おいしい」と満足感を示した。選手団は午後3時から4時30分まで北側選手らと共に自由練習を行った。単一チームを構成することなく、南北選手らが合同訓練を行うのは今回が初めてだ。南北選手らはリフトに乗って頂上に登り、「我々は一つだ」を叫び、記念撮影を行った。
南側選手団は、馬息嶺スキー場の施設を高く評価した。ホン・インキ南側アルペンスキー監督は「走路が長く、途中に急な傾斜がある点が、最近作られた江原道旌善(チョンソン)の中峰(チュンボン)スキー場と似ている」と話した。パク・ジェユン選手は「(竜平やハイワンスキー場に比べても)あまり引けを取らないスキー場」だと話した。彼は「雪質がいい。選手としては地形の変化が多く、スロープの勾配が大きいほどいいが、そのような条件を備えたスキー場と言える。とても練習しやすい」と付け加えた。
南北スキー選手の合同訓練は1月17日に開かれた次官級実務協議で、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕祝い行事の一つとして金剛山合同文化行事と共に合意された。施設の点検のために訪朝した南側先発隊は東海(トンヘ)線陸路で金剛山を経て、馬息嶺スキー場まで行くのに数時間以上かかるため、移動の便宜を図るため航空便を利用した方が良いという結論を下した。これによって政府は航空機の選定に入り、韓国国籍機のアシアナ航空のチャーター便が最終的に選ばれた。
航空便を利用した訪朝と1月31日から1泊2日間の合同訓練を行う日程などについて、南北の間にこれといった意見の相違はなかったという。ただし、訪朝手続きや航空管制など実務的な準備に時間が足りず苦労したという。南北は、訪朝前日の30日午前零時過ぎまで、板門店(パンムンジョム)連絡チャンネルを開き、最後の実務準備を続けた。
米国の北朝鮮に対する独自制裁も越えなければならない山だった。北朝鮮を経由した航空機は180日間米国内への着陸を禁止する条項のため、米国との事前協議が必要だった。しかし、時間が足りないうえ、週末まで重なり、実務的に困難があったという。米国側は出発当日早朝、対北朝鮮制裁例外の方針を最終通知した。
外交部当局者は「行事が差し迫った状態で、急に通知したにもかかわらず、米国側は迅速に内部検討を行い処理した。普段なら少なくとも数十日はかかっただろう」と話した。また、別の当局者は「米国側が協力的であり、協議過程で何の問題もなかった。民間航空機の問題であり、最後まで問題がないかどうか検討を重ねたことで、最終結論が遅れたようだ」と話した。