検察に腐敗犯罪の不当利益を追跡し、国庫に還収する専門担当捜査部が新設される見通しだ。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の“親友”であるチェ・スンシル氏の収賄の疑いが有罪と確定されれば、二人の財産追跡が最優先の課題になるものとみられる。
法務部は今月26日に予定された検事の人事と併せ、ソウル中央地検に犯罪収益還収部(仮称)を新設する案を検討中だと16日明らかにした。
現在も最高検察庁反腐敗部捜査支援科内に「犯罪収益還収捜査支援センター」を運営し、全国各検察庁にも犯罪収益還収班はあったが、成果は微々たるものだ。最高検察庁の資料によると、2016年基準で犯罪に対する確定追徴金は全部で3兆1318億ウォン(約3300億円)だったが、実際に還収された金額は841億ウォン(約87億円)で、執行率が2.68%に過ぎない。このため高額滞納者に対する専門の徴収組織を運営する国税庁のように、検察も不法収益の還収を担当する組織を新設しなければならないと指摘されてきた。
昨年7月、国政企画諮問委員会も「文在寅(ムン・ジェイン)政権国政運営5カ年計画」を発表し、「国政壟断の関係者たちの過去の不正蓄財財産還収に関連する法律の制定を支援し、検察の犯罪収益の還収機能を強化する」と強調したことがある。最近、検察は国家情報院から36億5000万ウォン(約3億8千万円)の賄賂を受け取った容疑で朴前大統領を追加起訴し、内谷洞(ネゴクドン)の住宅と小切手30億ウォンに対する凍結を申請して、裁判所がこれを受け入れた。これに先立ち、パク・ヨンス特別検察官も昨年3月に捜査を終結し、チェ氏が朴前大統領と共謀してサムスンから直接受け取った賄賂とみた77億9735万ウォン(約8億1千万円)に対して財産追徴補填を申請し、裁判所がこれを受け入れた。法務部はドイツとの司法協力を通じて、チェ氏のドイツ内の財産を追跡している。