金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長は1日、肉声での新年の辞で、平昌(ピョンチャン)冬季五輪の成功を祈い「代表団の派遣を含め必要な措置を取る用意がある」と明らかにした。金委員長が言及した北朝鮮代表団には、オリンピック・体育業務担当者であるチャン・ウン国際オリンピック委員会(IOC)委員をはじめチェ・フィ国家体育指導委員会委員長、キム・イルグク体育長官が優先的に含まれると見られる。
北朝鮮は2012年11月4日、労働党中央委員会政治局拡大会議を開き、国家体育指導委員会を作った。体育の大衆化、人材養成など「体育強国」の建設を目標に作った特別機構だ。張成澤(チャン・ソンテク)当時国防委員会副委員長が、初代の国家体育指導委員長を務め、2013年に彼が粛清された後には崔龍海(チェ・リョンヘ)労働党副委員長に交替させられた。昨年12月からはチェ・フィ党副委員長が委員長を受け持っている。2016年7月、北朝鮮は崔龍海当時国家体育指導委員長を団長にした高位級代表団をブラジルのリオ夏季五輪に派遣したことがある。2014年10月の仁川アジア競技大会閉幕式には、当時権力序列2~4位であったファン・ビョンソ人民軍総政治局長と崔龍海労働党秘書(国家体育指導委員長)、金養建(キム・ヤンゴン)労働党統一戦線部長を送った。
仁川アジア競技大会時のように、北朝鮮が平昌五輪に体育関連担当者の他に政治的な人物も派遣するのではという観測が出ている。東国大学のキム・ヨンヒョン教授は「政治家が少なくとも1人程度は来るだろう」とし「(権力2位である)崔龍海労働党副委員長や金委員長の妹である金與正(キム・ヨジョン)党副部長が来ることもありうる」と見通した。チョン・ソンジャン世宗研究所統一戦略研究室長は「北朝鮮が南北対話など関係改善の意志があるならば、崔龍海をはじめ、パク・グァンホ党副委員長、キム・ヨンチョル統一戦線部長が来ることも考えられる」と予想した。