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[ニュース分析]「韓中「共通の危険」北朝鮮核問題解決する共通分母見出した

登録:2017-12-16 06:44 修正:2017-12-16 08:22
文大統領と習近平首脳会談は何を残したのか  
朝鮮半島平和4原則に合意  
戦争容認しない立場から南北関係の改善まで 
対話への糸口掴む方向性に共感 
大統領府「米国と十分に共有したはず」 
北朝鮮、いつどのように方向転換するかに注目集まる
文在寅大統領と中国の習近平国家主席が今月14日午後、北京人民大会堂北大庁で開かれた公式歓迎式で儀仗隊を査閲している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 韓中両国は共通の危険に直面している。北東アジア情勢を根こそぎ吸い込む、北朝鮮の核という“ブラックホール”である。危険に対する認識の共有は副次的な対立をを超える共同の対応を可能にする。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席がTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備で浮き彫りになった軋轢を封印し、戦争を容認しない▽朝鮮半島の非核化▽北朝鮮核問題の平和的解決▽南北関係の改善を通じた朝鮮半島問題の解決など、「朝鮮半島の平和と安定に向けた4大原則」に合意した背景には、このような事情がある。

 「4大原則」は中国の従来の政策方向と変わらない。中国はこれまでいわゆる「3大堅持」(非核化、平和・安定、対話と交渉を通じた解決)を朝鮮半島政策の基調として明らかにしてきた。仁済大学のキム・ヨンチョル教授は「韓中両国は先月、ドナルド・トランプ米大統領の東アジア歴訪の際にも北朝鮮の核問題の平和的解決を強調した」とし、「両国首脳が共通の戦略的利害を確認しており、今回の首脳会談でこれを再度明確にした」と話した。

 米国でささやかれている「一戦不辞(一戦を辞さず)論」の実行可能性にかかわらず、地域情勢はもとより北朝鮮の態度にも現実的に影響を及ぼしている。両国首脳が「朝鮮半島で戦争は絶対容認できない」と改めて釘を刺したのもこのためだ。成均中国研究所のイ・ヒオク所長は「今回の首脳会談は北朝鮮核問題に焦点が当てられた“テーマ中心的”に行われたものとみられる」とし、「(北朝鮮の核による)朝鮮半島問題を解決するのに、時間があまりないうえに、積極的な突破が必要だということに両首脳が認識を共にしたもの」だと話した。

 南北関係改善を通じた朝鮮半島問題の解決もまた、中国の伝統的な立場である。激しさを増している北東アジア情勢の朝中関係もギクシャクしている。北朝鮮核問題を解決するための対話の“入り口”に向かう推進力を作り出すためにも、南北関係の改善がさらに重要となった。

 「習近平第2期」を迎えた中国にとっても、北朝鮮の核問題に左右される地域秩序から脱しなければならない情勢・外交・経済的理由が少なくない。韓国との国交正常化25周年にして関係を最悪に追い込んだ「THAADをめぐる軋轢」も、考えてみれば、北朝鮮の核による“副産物”である。北東アジアの勢力均衡を破壊し、対中国抑制の名分になっており、軍備競争を触発させる危険性を内包しているのも核問題だ。韓国と中国が認識を共にせざるを得ない理由だ。

 大統領府の主要関係者は、ひとまず韓中首脳会談について「両国関係が新たな出発への良い兆候と言える」と評価した。同関係者は、両首脳が合意した「朝鮮半島の平和と安定に向けた4大原則」が、北朝鮮に対する軍事オプションまで言及してきた米国との協調を壊すのではないかという懸念と関連しても、「軍事オプションは、外交的かつ平和的手段を裏付けるためのものだ。米国も平和的・外交的解決が公式立場であり、中国との4大原則合意は米国の立場と相反しない」とし、「このような問題は、韓米間の協調が重要な時点で十分互いに協力して共有しただろう」と答えた。

 焦点となるのは、「国家核兵力の完成」を政治的に宣言した北朝鮮がいつ、いかなる形で“方向転換”を行うのかだ。可能性は二つだ。北朝鮮が現在の水準で“挑発”を止め、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が来年の年頭演説で、「核武力の完成」を改めて宣言し、平和攻勢に転じることもあり得る。やっと作られた対話局面を国際社会が拒む理由などない。

 一方、北朝鮮が「国家核兵力の質量的強化」を掲げ、今年中に核・ミサイルの追加試験を強行した後、対話を提案することも考えられる。この場合、直ちに対話の糸口をつかむことは容易ではない。来年2月、平昌(ピョンチャン)冬季五輪を朝鮮半島に立ち込めた戦争の暗雲を振り払うきっかけにしようとする文大統領の計画にも支障が生じる可能性が高まる。2017年の残りの約2週間の間、徹底した状況管理が切実であるのもそのためだ。

チョン・イナン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/823765.html韓国語原文入力:2017-12-15 22:07
訳H.J

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