本文に移動

中国メディア、韓中首脳会談を主要ニュースに

登録:2017-12-15 22:43 修正:2017-12-16 07:03
人民日報・チャイナデイリーなど官営メディアは1面に 
中国人民解放軍儀仗隊の前を歩く姿 
香港メディアは「4大原則」にも関心示す
韓中首脳会談を伝える15日付の中国・中華圏メディア//ハンギョレ新聞社

 中国および中華圏のメディアが15日付で前日行われた韓中首脳会談を主要ニュースとして扱い、韓中関係が改善される可能性に深い関心を見せた。

 中国共産党の機関紙の人民日報は15日付1面で首脳会談のニュースを伝え、前日人民大会堂で開かれた歓迎行事で両首脳が人民解放軍(中国軍)儀仗隊の前の赤絨毯の上を歩く写真を載せた。「習近平が韓国大統領文在寅(ムン・ジェイン)と会談」というタイトルのこの記事には「両国首脳が両者関係の前進方向を正確に把握し、中韓関係が安定的に大きく進むようにしなければならないことに同意した」という副題がついた。

 官営チャイナデイリーは、首脳会談のニュースを1面トップ記事で伝え、「文大統領が“重要な時期”に訪問する」というタイトルをつけた。記事は、両国首脳の発言を詳しく紹介する一方、文大統領の訪中を契機に両国関係が新たな時期に入り込んだという専門家の分析を伝えた。

 香港のサウスチャイナモーニングポストも、両首脳が人民解放軍の前を歩く姿を1面で伝えながら、7面記事では「戦争は容認できない」という習近平・中国国家主席の発言をタイトルに選んだ。香港の明報は、韓国側の発表内容だった「4大原則」(戦争不可、非核化、平和的解決、南北関係改善)を見出しにのせて、両首脳が5カ月間に3回会った点を強調した。

 中国の環球時報も、首脳会談のニュースを1面に載せ、首脳会談が予定された時間を超えて続いたという内容を見出しで伝えた。英字紙のグローバルタイムズも1面記事で、両首脳が協力を語ったと強調した。両メディアは、姉妹紙の人民日報と同じ写真を載せた。

 中国国内の専門家たちは、両国関係が回復の契機を得たと評価した。時殷弘・人民大学教授は、聯合早報に「韓国もすでに配備されたTHAADを撤収させることはできず、中国もTHAAD配備を受け入れることはできない」として「韓国がTHAAD問題を中韓関係と分離させようとする中で、中国共産党第19回全国代表大会(党大会)以後の中国が一歩譲り、これに同意して中韓関係の回復に有利な条件を用意した」と評価した。

 中国国際問題研究院の楊希雨研究員はグローバルタイムズに「(朝鮮)半島の戦争と混乱を防がなければならず、北朝鮮核問題を平和的方法で解決しなければならないことについて中韓の立場は一致した。これは両国が現在の緊張の中でも実質的行動を取れるようにする政治的基盤」だとし「今回の首脳会談は、THAAD問題解決での意見の差を一層縮める新たな基礎になっただろう」と述べた。

 また、中国国際問題研究院の阮宗澤副院長はチャイナデイリーに「朝鮮半島が増えつつある不安定要素に直面した時期に、両国が戦略的観点を交流することは必須」としながらも、「しかし、これがTHAAD(高高度防衛ミサイル)問題のページが変わったことを意味するものではない」と線を引いた。

 遼寧社会科学院の呂超研究員は環球時報とのインタビューで、文大統領が韓中を「運命共同体」として描写した内容などを挙げて「文在寅大統領は中国民衆の心をつかむために努力したし、これで私たちも中韓関係の回復により多くの自信を持てるようになった」と評価した。

 一方、14日の韓中首脳会談後に両側がそれぞれ出したマスコミ発表文は、共同声明ではなかったために、内容が大きく異なるのではという一部の予想とは異なり、大枠では大きく違わないことが分かった。ただし、両国の交流拡大に関連する部分で、韓国側の発表に入っていた「文化」項目が中国側の発表にはなかった。韓国の文化コンテンツの放映および芸能人出演などを示唆するものと見られる。習主席の平昌(ピョンチャン)冬季五輪出席招請および北朝鮮の参加のための共同努力も、韓国側の発表のみにあった。中国が韓国に実質的履行を要求している“3NO”(THAAD追加配備をしない、米国のミサイル防衛システム(MD)に参加しない、韓米日軍事同盟を推進しない)に関連する言及は、両方に出ていない。

北京/キム・ウェヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/823677.html韓国語原文入力:2017-12-15 21:05
訳J.S

関連記事