未収拾者家族「私たちを追い出そうとだました」
長官への最初の報告は発見の3日後
前本部長「追悼式で慌ただしく」
「直ちに知らせよ」長官の指示も不履行
セウォル号の遺骨隠ぺい疑惑について、セウォル号未収拾者の家族らは概して「裏切られた思いだ。許しがたい」と激昂した反応を示した。ただ、一部の家族は「配慮しようとして誤った判断をしたようだ」と理解しようとした。憤る未収拾者家族も、隠ぺい疑惑が政争に飛び火することには懸念を示した。遺体を見つけられなかったクォン・ヒョクギュ君の伯父のクォン・オボクさんは「あからさまにセウォル号の引き揚げと調査を妨害した勢力が、この事件を口実に海洋水産部長官の解任まで要求することは理屈に合わない」と批判した。
■「故意的な隠ぺいではなく判断ミスのようだ」
船体捜索の過程で遺骨が見つかった檀園高校生徒のチョ・ウンファ、ホ・ダユンさんの家族は「故意的な隠ぺいではなく、両方を配慮しようとして事が大きくなったようだ」という意見を明らかにした。彼らは9月23～25日、未収拾者家族が滞在していた全羅南道木浦(モッポ)新港を離れる以前「もし葬儀の後に追加で遺骸が出ても公開しないでほしいと海洋水産部の収拾本部側に要請した」と伝えた。さらに10月と11月にも同じ意思を伝えた。収拾した遺骸が遺伝子(DNA)鑑識の結果、ウンファさんやダユンさんと確認された場合、身元を公開せず家族に静かに渡してほしいと要請したのだ。自分たちが木浦新港を離れた後もウンファさん、ダユンさんの遺骸が出続けたら、小さな骨片一つも見つけられていない未収拾者家族たちに迷惑になると思い、このような意思を伝えた。
2～3センチ大の手首の骨一点が17日午前11時20分、セウォル号4階客室の障害物についた泥を洗浄する過程で収拾された。前日、未収拾者5人の家族が木浦新港を離れると発表し、翌日行われる追悼式と葬式を準備する微妙な時点だった。
■「木浦新港から追い出そうとだました」
これについて未収拾者のクォン・ジェグンさん、ヒョクギュ君父子、檀園高校教師のヤン・スンジンさんの家族は「私たちを木浦新港から一日でも早く追い出したくて発見した事実を隠した」と激怒した。ヤンさんの妻のユ・ベクヒョンさんは「私たちをだましたという事実を知ってとても悲しく胸が痛かった。意図があまりに不純なため、どんな謝罪も受け入れられない」と話した。ヒョクギュ君の伯父のクォン・オボクさんも「私たちが3年7カ月を待ったのに、鑑識期間の2週間をさらに待てないはずがない。20日に長官に報告した後、公開せよという指示を受けながらも従わなかったとはあきれ返る」と嘆いた。彼らは「今まで遺骸が収拾されれば、直ちに通報して公開していた。ウンファ、ダユン家族が要求したのも、遺伝子鑑識をした後で自分たちの娘であれば公開しないでほしいという趣旨だった」と強調した。
■海水部内部報告はなぜ遅れたのか
17日、セウォル号船体から遺骨が発見された後、キム・ヨンチュン海洋水産部長官に最初の報告がなされたのは3日が過ぎた後の20日だった。現場収拾本部の幹部らは「未収拾者家族に苦痛が加重されることを懸念した」という理由ですぐに公開しなかったのだと説明しているが、長官・次官など海水部内部の報告すら行われなかった点は疑問として残っている。イ・チョルジョ前現場収拾本部長(23日に役職解任)は第1次調査結果の発表で「18日の追悼式と関連して慌ただしく、長官に報告しなければという考えを持てなかった」とだけ答えた。
しかも、イ・チョルジョ前本部長が関連する内容の最初の報告を受けたのも、遺骨発見から4時間30分あまりたった後だった。通常、遺骨が発見されれば長くても30分以内に現場収拾本部と船体調査委員会調査官、遺族および未収拾者家族まで伝えられたという点を考えると、初期の内部報告が過度に遅れたということだ。
■長官指示はなぜ直ちに履行されなかったのか
20日に遺骨を発見した事実の報告を受けたキム・ヨンチュン長官は「報告の手続き(未収拾者家族などに知らせるためのもの)を直ちに踏むように」と指示したが、実行されなかった。翌21日、チョ・ウンファさんとホ・ダユンさん家族にのみ発見の事実が知らされただけで、他の未収拾者家族に対する知らせは行われなかった。イ・チョルジョ前本部長は「未収拾者ご家族には少し待ってから説明をすることに決定し、長官に再び報告する予定だったが、業務が慌ただしくタイミングを失した」と説明しているが、納得できる釈明とは見難い。
訳M.C
