本文に移動

“キーマン”キム・グァンジン、イム・グァンビン拘束…李明博元大統領の捜査が迫る

登録:2017-11-12 23:08 修正:2017-11-13 07:06
軍サイバー司令部の報告系統 
2011年7月国防部直属に変更 
政治関与に積極的に取り組むために 
報告系統が変わったのではないかという疑い 
李明博元大統領の激しい反応に…検察「ノーコメント」
李明博元大統領が12日昼、仁川空港出国場へ向かいながら取材陣の質問に答えている=仁川空港/パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 国軍サイバー司令部の世論操作活動などを指示した疑いでキム・グァンジン元国防部長官とイム・グァンビン元国防部国防政策室長が拘束され、今や関心は李明博(イ・ミョンバク)元大統領に対する直接捜査に集まっている。検察は12日、李元大統領が検察の「積弊清算」捜査を激しい表現で批判したことと関連し「ノーコメント」として線を引いた。李元大統領を共犯もしくは被疑者と見ているという報道と関連しても、直接的な言及を避け外部の政治攻防にまきこまれる状況を極度に敬遠している。

 だが、検察が今後李元大統領の召喚を控え念を入れて「地固め」をしていることだけは明らかに見える。特に先週拘束されたキム元長官とイム元室長が、李元大統領に駒を進める“キーマン”になると見て、李元大統領の疑惑立証のための追加捜査に拍車を加えている。検察内部では、二人の拘束で李元大統領に向けた捜査が大きな山を一つ越えたという安堵感も感知される。

 特に検察は、国防部内で長次官に次ぐ序列3位に該当するイム・グァンビン元政策室長(2011年4月~2013年10月)の当時の役割に注目している。軍サイバー司令部は、当初合同参謀本部の指揮を受けていたが、2011年7月に国防部長官直属に変わった。本来ならばイム元室長は軍サイバー司令部の報告系統ではなかったが、中間に何らかの理由で作戦系統が変わったのだ。検察は拘束されたイム元室長を相手に軍サイバー司令部の報告系統の変更に李元大統領の指示などがあったかなどを集中的に調査する方針だ。イム元室長は、陸軍本部政策広報室長であった2007年に李明博政府引継ぎ委員会に派遣されるなど、李明博政府の大統領府の人々と内密な疎通が可能だった人物に挙げられる。検察はイム元室長が済州(チェジュ)海軍基地建設反対や韓米自由貿易協定(FTA)など政府に不利な事案があるたびにサイバー心理戦の強化を指示していた事実を把握した。

 検察はキム元長官の陳述と今後の追加調査の結果も、李元大統領の疑惑立証の核心根拠になると見ている。キム元長官は2012年7月、大統領選挙を控えて世論操作活動に投じる軍務員を増員したことと関連して、検察の調査で「李元大統領がサイバー司令部増員だけを独立して指示した。以後、増員計画を1、2回報告したところ、大統領がそうしろと承認した」と述べたことがある。ただしキム元長官は、この部分について「DDOS攻撃の後、国家の主要政策の一環だと考えた」という趣旨の陳述を維持している。

 検察は拘束された二人に対する追加捜査が終われば、軍サイバー司令部増員などに関与した疑惑を受けているキム・テヒョ元大統領府対外戦略企画官なども呼び出して調査する予定だ。当時、キム元企画官らが参加した大統領府会議をまとめた文書に「4・11総選挙総力対応体制」などの表現が登場したため、李元大統領もサイバー司令部の露骨な総選挙介入意図を知っていた可能性がある。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/818669.html 韓国語原文入力:2017-11-12 22:04
訳J.S(1540字)

関連記事