登録 : 2017.09.26 01:28 修正 : 2017.10.06 17:02

23日、豊渓里近くで地震発生…「6回目の核実験の影響」 
北朝鮮の核実験→地震→白頭山噴火シナリオが再燃 
 
米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」の専門家 
「火山地帯周辺のネバダで921回の核実験 
北朝鮮より50倍の爆発力にも地震・噴火ない 
火山爆発の恐怖が“神話”として残ることを祈る」

咸鏡北道吉州郡豊渓里一帯で北朝鮮の6回目の核実験と推定される人工地震が発生した今月3日、ソウル龍山電子商店街である市民が関連ニュースを見ている/聯合ニュース
 23日午後、北朝鮮が6回目の核実験を行った咸鏡北道吉州郡(キルジュグン)豊渓里(プンゲリ)近くでマグニチュード2.6と3.2の地震が相次いで発生し、しばらく落ち着きを見せていた「北朝鮮の核実験→地震→白頭山(ペクトゥサン)の噴火」のシナリオが再び頭をもたげている。

 気象庁は24日「2回にわたる地震は北朝鮮の6回目の核実験場所から北北西に約6キロメートルの地点で起きたものと分析される」と明らかにした。国連傘下の包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)のラッシーナ・ゼルボ事務局長もツイッターで、「6回目の核実験に伴う崩壊などの要因によるものと推定される」と明らかにした。北朝鮮の核実験がいかなる形であれ、地震の発生に影響を及ぼしたか、原因になったという分析だ。延世大学・地球システム科学科のホン・テギョン教授も、今回の地震と関連し、「6回目の核実験によって誘発された強力な地震動がこの地域にこれまで蓄積されてきた地体構造の応力を排出する効果をもたらし、地震が発生した可能性が高い」と分析した。

 政界でも地震発生の可能性や放射能流出を懸念する声が高まっている。正しい政党のユ・スンミン議員はフェイスブックへの書き込みで、「専門家らは6回目の核実験後、豊渓里核実験場の周辺地域が相次ぐ地震で崩壊すれば、核実験で発生した放射能が地上に放出され、大気が汚染されたり、地下水層が汚染される可能性があると指摘している」とし、「安保問題とは別に、韓国政府が中国や日本、ロシアなどとの国際協力に主導的に取り組むべき」と明らかにした。

 国民の党のパク・チウォン議員は、地震の発生にとどまらず、100年以上眠っている白頭山の噴火可能性まで提起した。パク議員は、自分のフェイスブックに「私たちの頭上で核実験による地震が発生しているうえに、人工的であれ自然的であれ、白頭山と核実験場付近の地域で地震が活性化されているなら、いかなる形でも南北と国際社会が共同でこれを調査して備えなければならない」という書き込みを残した。彼は2010年、国会情報委員会の国政監査で行った自分の発言を引用し、「当時、白頭山で地震と火山噴火の前兆ともいえる数千匹の蛇が出現したという事実を指摘し、『最近、白頭山付近で地震が多発しているため、白頭山の火山爆発が予想されおり、火山噴火による地震や火山灰、溶岩の被害について南北が共同で研究して備えなければならない』と指摘したことがある」とした。白頭山付近で自然地震が発生するなど、火山噴火の予兆と疑われる現象が頻繁に起きているが、北朝鮮の核実験が火山爆発を“刺激”するかもしれないということだ。パク議員は「専門家らは、白頭山の火山が噴火すれば、2010年のアイスランド火山噴火の1000倍以上の規模になるだろうと予測している。朝鮮半島全域はもちろん、中国まで巨大な溶岩の噴出や火山灰の被害、水蒸気による洪水被害で、恐ろしい災難に見舞われかねない」として、国際社会の共同対応を促した。

 実際、昨年2月ホン・テギョン教授研究チームは「北朝鮮の核実験に伴う白頭山火山の地震動と動的応力の変化の予測」論文で、今後北朝鮮がより大きな規模の核実験を実施すれば、白頭山の火山が“反応”する可能性があると予測した。同研究チームは、北朝鮮が2006年や2009年、2013年に実施した3回の核実験の実測資料を分析した。

 北朝鮮の核実験場がある豊渓里から白頭山までの距離は114キロメートルだ。白頭山は1903年、最後の噴火をしてから、2000年に入って白頭山天地(チョンジ)周辺で毎月10~15回の地震が発生しており、地震波測定の結果、白頭山の地下には巨大なマグマ溜りがあることが確認された。

 しかし、核実験による地震の発生と火山爆発の因果関係は確認されていないという反論もある。北朝鮮の核実験などと関連した詳しい情報と分析を提供する米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」は、6回目の核実験直前の先月28日、「絶対に消えない神話:豊渓里核実験は白頭山噴火の引き金となるか?」(38north.org/2017/08/fpabian082817)という短い論評を掲載した。

白頭山の天池=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 米国ロスアラモス国立研究所(LANL)出身で45年の経歴を持つ核実験・地理空間の専門家であるフランク・ファビアン氏は、「38ノース」への寄稿でフォーブスやCNNなどを取り上げ、「一部メディアが北朝鮮の地下核実験が白頭山の破滅的な爆発を引き起こしかねないという恐ろしい見出しをつけているが、過去米国の事例を見ると、核実験が火山爆発を誘発したことはなかった」と説明した。

 彼は1971年11月6日、周辺90キロメートル以内に3つの成層火山がある米国のアラスカで行われた核実験の事例を取り上げた。特に、最大5メガトン(TNT5000キロトン)の核実験(実体派によるマグニチュード6.9)にもかかわらず、アラスカアリューシャン列島にある62の活火山・休火山のうち、どの火山も噴火しておらず、地震も発生しなかったということだ。 北朝鮮6回目の核実験の爆発力はTNT50~150キロトン程度と推定される。

 ファビアン氏はこれに先立つ5月にも「38ノース」に、「火山の恐怖を暴く」(38north.org/2017/05/fpabian050917)を寄稿した。米国ネバダ核実験場(NTS)では、米国が地下で行った核実験1021件のうち、およそ921件が実施された。ネバダ核実験場は地球上で最も大きな火山カルデラの一つであるカリフォルニア州ロングバレーのカルデラの端から289キロ離れた場所に位置している。ファビアン氏は「ネバダ核実験場では1メガトン(TNT1000キロトン)を超える核実験も数回あったが、北朝鮮の1~5回の核実験のうち、最大値は20キロトンだった」とし、「50倍以上の差がある」と指摘した。彼は「1969年、米国地質調査所(USGS)が地下核実験がカリフォルニアを揺るがす地震を起こす恐れがあるかどうかを調べたが、明白な相関関係を見つけることができなかった」とした。ファビアン氏は地質調査局の資料を引用し、「このような調査結果は地下核爆発による一時的な圧力は、数十キロ離れた距離で断層破裂を起こすほど十分でないという理論的計算と一致している」と説明した。

 にもかかわらず、核実験による地震と火山爆発の可能性を完全に排除することはできない。ひとたび「ブラック・スワン」が現れれば、観察と経験に基づいた世界は根底から覆される。そのためか、ファビアン氏も「火山爆発の神話」論評をこのように締めくくった。

 「願わくは火山の恐怖が神話として残ることを」(Hopefully this volcanic panic is one myth that can be put to rest.)

キム・ナミル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017-09-25 11:31
http://www.hani.co.kr/arti/politics/polibar/812362.html 訳H.J(3276字)

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