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[ルポ]THAAD基地、ゴルフコースのあちこちに雑草とトラックのタイヤ痕

登録:2017-08-14 03:58 修正:2017-08-14 06:40
反対団体の阻止で調査団・取材陣、ヘリで進入 
トラックの大きさのレーダー稼働すると「ジイーン」とう音 
 
調査前に在韓米軍司令官「米軍の不適切な行動」に対して謝罪 
基地で謝罪文を読み上げただけで質疑応答は行わず
トーマス・バンダル在韓米軍司令官が今月12日、慶尚北道星州にあるTHAAD基地で、今年4月THAAD装備の搬入中に米軍兵士らが住民を嘲笑した行動に対して謝罪している=国防日報提供//ハンギョレ新聞社

 政府関係者や記者団など40人以上を乗せた45人乗りの軍用ヘリコプター「チヌーク」が、慶尚北道星州(ソンジュ)にあるTHAA基地内の空き地に着陸した。敷地の選定以来、通行が禁止されてきたTHAAD基地が初めて民間人に扉を開けた瞬間だった。

 12日、国防部と環境部は慶尚北道星州の高高度防衛ミサイル(THAAD)基地で、小規模環境影響評価(アセスメント)に伴う現場確認の手続きを進めた。同日の現場確認には慶尚北道と星州郡金泉市(キムチョンシ)関係者や記者団が同席し、THAADの電磁波と騒音の測定を参観した。

 午前10時半頃、大邱(テグ)軍基地を出発したヘリは10分も経たないうちに、THAAD基地上空に到着した。ヘリの下に、鉄板上に臨時設置されたTHAAD発射台が見えた。ゴルフ場敷地の端に置かれていた。米軍供与地の外郭は鉄条網で囲まており、ゴルフコースの至る所にタイヤ痕が鮮明に残されていた。昨年まで繁盛していたゴルフ場には、雑草と野草花が生い茂っていた。

 午前11時、THAAD敷地内の支援施設2階で記者団を含む参観者・出席者らを対象にした説明会が開かれた。国防部の発注で小規模環境影響評価を施行した企業関係者らが、環境影響評価の概要と結果について簡単に説明した。

 さらに、トーマス・バンダル米8軍司令官とソ・ジュソク国防部次官が、過去4月に行われたTHAADの無断搬入過程で、一部の軍人らが見せた不適切な行動に対し、謝罪した。頭を下げ、韓国語で挨拶したバンダル司令官は謝罪を終えた後、記者団の質問を一切受け付けず、席を立った。当初は韶成里(ソソンリ)住民たちを訪れ、直接謝罪する計画だったが、住民の反対で実現されなかった。

 電磁波と騒音の測定は午後1時半から行われた。THAADレーダーに移動した参観団は午後2時からレーダーから100メートルの距離で電磁波と騒音を測定した。THAAD発射台が公開されたことはあったが、レーダーが民間の前に姿を現したのは初めてだ。

 まず、100メートルと500メートルの地点では、レーダーを稼働する前と稼働した後、いずれも測定を行った。トラックの大きさの長方形のレーダーにスイッチが入ると、「ジイーン」という稼働音が鳴り、レーダーに付けられた警告ランプが点滅した。国防部関係者は「近くの勤務者らにレーダーが稼働し始めたことを知らせるための信号」だと説明した。レーダーの稼働と共に、電磁波の数値がつける前の10倍近く上昇した。国防部関係者は「数値が上がったとしても依然としてほとんど人体に影響を及ぼさないほどの微々たる数値」だと繰り返し強調した。レーダーに付けられた小型発電機から出る騒音は、最も近い100メートル地点で50デシベルほどだった。国防部関係者は「会話の際に出る音程度」だと付け加えた。

 さらに、直線距離で500メートル、高さ43メートルの地点である尾根に移動し、電磁波と騒音を同じ方法で測定した。この地点は最低15度の角度で発射するサードレーダーが地上と最も近い地点だ。電磁波の数値は100メートルの地点よりむしろ低くなった。国防部関係者は「電子波の影響は距離が遠くなるほど二乗倍に下がるため」と話した。騒音レベルも100メートルの地点よりも低いことが分かった。

 参観団は、その後、発射台近くに移動した。発射台2基はレーダーから約700メートル離れた地点にあった。1基当たり8発のミサイルは、すべて蓋が閉まった状態で、2、3人の米軍たちが銃を持って警戒していた。なぜレーダーと発射台が遠く離れているのかという質問に対して、国防部関係者は「機械は人より敏感であるため、発射台は少なくとも500メートル以上の距離を置く」と答えた。電磁波の数値はやはり、微々たる水準だった。発射台に付けられている小型発電機から騒音が多少発生していたが、国防部関係者は「小規模環境影響評価が終わって電気施設を設置すれば、発電機を使う必要がないため、関連騒音もなくなるだろう」と説明した。

 最後に、レーダーから約600メートル離れた支援施設で、電磁波と騒音を測定した。同日、基地内部で測定した電磁波と騒音は、いずれも関係法令で定めた基準値より低かった。特に、電磁波は100メートル地点でも電波法の人体保護基準の1000分の1ほどだった。基地内部測定を終えた後、約8キロメートル離れた金泉で行う予定だった外部測定は、デモ隊の反発などで行われなかった。

星州/環境部共同取材団、キム・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/806561.html 韓国語原文入力:2017-08-12 22:11
訳H.J(2228字)

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