フィリピンのマニラで行われた第24回ASEAN地域フォーラム(ARF、以下フォーラム)が8日に幕を下ろした。北朝鮮の核・ミサイル問題に対する参加国の憂慮がいつになく目立ち、北朝鮮の外交的孤立も深まった。韓国外交としては、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「ベルリン構想」への参加国の関心と支持を得たのが成果と言える。
フォーラムの閉幕に先立ち、カン・ギョンファ外交部長官は同日の朝、マニラ市内のホテルでフォーラム決算の記者会見を開いた。カン長官は「北朝鮮核の脅威に対する以前とは全く次元が異なる認識の中で、加盟国が集まった」とし、「3大安保懸案である北朝鮮の核、南シナ海、テロ問題の中で、圧倒的に北朝鮮の核問題が最優先懸案として浮上した」と述べた。また、「北朝鮮としては孤立した外交的位置を痛感させられる舞台となったと思う」と指摘した。実際、北朝鮮は今回のフォーラム期間中に諸外国に二国間会談を要請したが、ASEANは個別加盟国の接触を避けることにしており、今年の議長国であるフィリピンの外交長官が代表でリ・ヨンホ北朝鮮外相に会ったという。
フォーラムの成果について、カン長官は「ベルリン構想に盛り込まれた朝鮮半島における平和定着の努力に対し、二国間会談や多国間会議の時にとても積極的な支持と反応を得た」いう点を挙げた。文在寅政権の対北朝鮮政策基調である「非核化に向けた対北朝鮮圧迫」と共に、「朝鮮半島の平和構築に向けた南北関係の改善のための努力」を浮き彫りにしたということだ。
一方、北朝鮮代表団は例年に比べ、消極的な動きを見せた。昨年7月、ラオス・ビエンチャンフォーラム当時、記者団に対し積極的に北朝鮮の立場を示したリ外務相は、今回のフォーラム期間中、記者団の質問攻勢に無返答で一貫した。昨年誇示した中国との“密着した動き”も、ASEAN諸国とのスキンシップを自慢した“広幅の動き”もなかった。
フォーラムで断然目立ったのは、中国の「攻撃外交」だった。中国の王毅外交部長は、敏感な懸案について韓国や北朝鮮、米国、日本に苦言を呈した。彼は今月6日のリ外務相との会談で、「核・ミサイル実験の中断」を要求し、同日、カン長官には、文在寅政権がTHAAD(高高度防衛ミサイル)発射台4基を追加で臨時配備の決定したことについて、「両国関係に冷や水を浴びせた」として、不満を露わにした。また、レックス・ティラーソン米国務長官との2カ国会談では「むやみに圧迫して制裁するのは、(北朝鮮核問題の)解決策ではない」と強調した。極め付きは7日、最近就任した日本の河野太郎外相との会談だった。彼は、河野外相が南シナ海に中国が拠点を構築しようとする動きに憂慮を示したことに対し、「失望した」、「完全に米国から与えられた任務のような感じ」だと、歯に衣着せぬ表現で批判した。