政府の脱原発・脱石炭および新再生エネルギー優先政策に対する意見が、科学技術に関連する所属団体と専攻分野によって鮮明に分かれ、エネルギー政策に関する社会的公論化と合意が必要なことが分かった。韓国科学技術団体総連合会(科総・会長キム・ミョンジャ)は先月12~15日、政府拠出研究機関、韓国科学技術翰林院、韓国工学翰林院、科学技術学会、企業、市民団体、政府および公共機関などを対象に、政府のエネルギー政策に対する意見を問う電子メールアンケート調査を行った。アンケートには計2029人が参加した。20日、科総が発表した結果によると、脱原発や脱石炭など政府のエネルギー政策の根幹に対する意見が所属別・分野別に明確に対比されるものと調査された。
政府のエネルギー政策方向の核心である「石炭火力・原子力発電の割合を下げ、新再生エネルギーや天然ガス火力の割合を高める政策」に対する意見を問うアンケートで、回答者の46%は「不適切だ」という意見を示した一方、「適切だ」はという意見は41%で、不適切だという見解が5%ポイント多いことが調査された。しかし、回答者の構成を分野別で見ると、エネルギー990人(49%)、気候環境83人(4%)、理学121人(6%)、保健医療46人(2%)、工学634人(31%)、人文社会62人(3%)などで、所属別でも拠出機関562人(28%)、企業484人(24%)、政府および公共機関349人(17%)、大学431人(21%)、市民団体41人(2%)など、分野別・所属別構成比の偏差が大きく、全体意見の代表性が落ちた。科総もこの日のアンケート調査の限界について「母集団が2千人余りであり、信頼度が高いといえるが、応答標本の偏向によって全体を客観化するのは難しい」とし、「政府のエネルギー政策樹立で様々な専門家グループ、市民社会、一般国民の間の社会的合意が重要だ」と明らかにした。
実際、政府のエネルギー政策基調について、政府および公共機関所属の回答者たちは57%が「不適切だ」と回答した反面、市民団体は56%が「適切だ」と答弁した。また、大学は不適切(48%)の意見が適切(40%)より多かった反面、政府拠出研究機関は適切(47%)が不適切(40%)より多かった。
専攻分野別にも差が大きく、エネルギー分野は不適切(57%)の意見が適切(30%)の倍近くに上るのに比べ、気候環境分野は適切(82%)の意見が圧倒的に高かった。保健医療と人文社会分野も適切(各68%・66%)との意見が多かった。工学分野は不適切(45%)の意見が適切(42%)よりやや高い反面、理学分野は適切(60%)が不適切(27%)よりも多く、対照を見せた。
アンケート調査の回答者の割合の偏向性を考慮しても、脱石炭政策と脱原発政策に対する意見に偏差があるものと調査された。脱石炭政策が必要だという意見は72%、必要ないという意見は9%であるのに比べて、脱原発政策は必要だという意見が32%、必要ないという意見が56%と集計された。また、政策の実現可能性についても脱石炭は55%が肯定的に回答した反面、脱原発政策については65%が可能性が落ちると答えた。
政府の脱原発の意志に対する見解でも所属別・分野別の見解差が大きいことがわかった。全体的には慎重なアプローチが必要だ(38%)、不適切だ(34%)という否定的な意見が、積極的に推進すべき(18%)、時宜にかなっている(10%)などの肯定的な意見より高いものと集計されたが、所属別・分野別では意見が真っ二つに分かれた。
市民団体は積極的な推進(46%)の意見が不適切(20%)よりはるかに高い反面、政府と公共機関は慎重なアプローチの必要性(44%)に高い回答率を示した。エネルギー分野は、脱原発が不適切だ(42%)という意見が強い反面、気候環境分野では脱原発を積極的に推進(49%)しなければならないという意見が高かった。人文社会(44%)、保健医療(35%)分野も脱原発推進の方に高い意見を示した。