原文入力:2009-08-24午後07:06:46
金大中・盧武鉉の現実認識
イユ・チュヒョン記者
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生前に金大中・盧武鉉2人の前職大統領は現在の韓国社会をどのように眺めていたのだろうか。逝去直前の2人の現実認識の中には十分に噛みしめなければならない重要なキーワードが含まれている。
盧前大統領は崖から身を投じて生を終わらせる時まで、現政権を直接ねらった批判はほとんどしなかった。彼がインターネットなどに残した数種類の遺稿は主に現実政治から一歩下がり‘進歩主義の未来’を塾考する談論だ。彼の情勢分析はボンハ村を訪れた訪問客たちと交わした話に部分的にあらわれる。
盧前大統領追慕・記念事業会準備委員会から<ハンギョレ>が受け取った‘訪問客との対話録’を見れば、彼は権力機関の私物化と批判封鎖,福祉後退をイ政府の最も大きい問題として認識している。彼はチョン・ヨンジュ前<韓国放送>社長が監査院の底引き網式監査を受け退く姿を見て「監査院が言論の軍旗を捕まえる時代ぐらいになれば、それはすでに退歩と考える」(2008年8月9日)と話した。政府の減税政策と予算編成に対しても「ハンナラ党の言うとおりにすれば5年間に85兆ウォンをおさめないことになるが、これは大部分が庶民のポケットを大切にするのではなく金持ちのお金を大切にするということだ。金がない人々に金が回るように解いてこそ成長の効果もさらに早い」(2008年11月12日)と話した。彼はまた‘経済至上主義’を前面に掲げるイ・ミョンバク政府を狙い「民主主義を殺し経済だけを成功させるといった国が成功した例はない」(2008年10月),「大統領は1~2年で経済生かし1~2年で経済を殺す職業ではない、大統領は政治が職業であり経済は政治の一部」と話した。
金大中前大統領も現政権初期には鋭い批判を慎んだ。チャン・シンギ延世大金大中図書館研究員は「金前大統領も最初はイ・ミョンバク大統領が前面に掲げる‘実用主義’にある程度の期待感を持っていたようだ」として「しかしロウソクのあかりが消えていった昨年中盤期から政府が減税,対決的南北関係などを攻撃的に取るや、順次失望感が深まった」と伝えた。金前大統領はこの頃から民主主義後退・庶民経済危機・南北関係危機など現時局が‘3大危機’に陥ったと指摘した。金前大統領はこういう3大危機論からもう一歩踏み出し‘行動’しようと考えた。彼のある側近は「金前大統領は‘だめだ。私も立ち上がらなければならない’として過去ユン・ボソン,ハム・ソコン先生などと共にした‘3・1民主救国宣言’のようなものを盧前大統領と一緒にしてみようとする考えを持っていた」と伝えた。
表現方法は少し違ったが、金前大統領と盧前大統領は「現実を変える力は市民の力量にかかっている」という共通した考えを持っていた。キム・サムウン前独立記念館館長は「金前大統領が亡くなる3ケ月前に会い、‘なぜ行動する知性’ではなく‘行動する良心’を強調するのかと尋ねたところ、‘自分たちが独裁側に立っていながらも知性だと自負する人々がいるから知性ではなく良心が行動することが必要’と答えた」と伝えた。良心は知識人の専有物ではなく、目覚めている市民のことだからだ。1年前の今時分、盧前大統領もボンハ村を訪れた市民たちにこのように話した。「おかしな話だけれど、しかしとにかく歴史は本来そうなのです。前へ行ったり後退りした…。国民が目を瞑ってじっとしていれば、どこまでも後退りすることもあります。」(2008年8月9日)
イユ・チュヒョン記者edigna@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/372825.html 訳J.S