初めはまさかできるとは思わなかった。「100個にならなかったらどうする?」おじけづいた友達は、お互いを慰め始めた。「100という数字はただの象徴的なものじゃない?成し遂げられなかったからといって失敗したということじゃない」。そんな風にして始めた「自分の学校に小さな少女像建設運動」は、少しずつうわさが広がり、19日に100番目の学校が参加して目標を達成した。「1年の時、サークルの先輩と計画を初めて構想した時は、夢のような話だったが、“100”を満たすことができてびっくりしました」。ソウル西大門区(ソデムング)の梨花(イファ)女子高歴史サークル“握斧”のキム・ノグォン会長(18)の顔から微笑がこぼれた。
「少女像世代」の女子高生たちがやり遂げた。歴史サークル「握斧」の「自分の学校に小さな少女像建設運動」がプロジェクト開始から1年あまりで成功裏に終えられた。全国の高校96校と中学3校、小学校1校が「小さな少女像」を校内に設置することにした。すでに61校に少女像が設置され、39校は像の製作を待っている。
2015年末に行われた日本軍「慰安婦」被害者問題関連韓日合意が、すべてのことの始まりだった。「何かしなくては」と意気投合した握斧の会員たちは、学校に「日本軍『慰安婦』問題を考えられるように『小さな少女像』を建てよう」と提案した。昨年5月にはまずソウルと京畿道の高校900校に直接手紙を送って参加を訴えた。「“自分の学校に少女像”を建設する高等学校になってください。小さな少女像はハルモニ(おばあさん)と手を握る私たちの確約です」。そこから全国の100の学校に、少女像100個を建てようという目標を立てた。
フェイスブックに「大韓民国高校生少女像」のページを作り、広報活動も始めた。やがて全国各地から参加の便りが聞こえてきた。生徒たちが募金した少女像製作費50万ウォン(約5万円)を送れば、握斧が“平和の少女像”の製作者であるキム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻に届け、作家が縦横30センチ大の小さな少女像を学校に送った。学校がお金を加えて大きな少女像を設置した所もあった。中には募金に成功しても“政治的”だという理由で許可しない学校もなくはなかった。
握斧は、小さな少女像建設運動を知らせるために、2月から2カ月間ストーリーファンディング(ポータルサイト ダウム)も進めた。目標金額の300万ウォン(約30万円)の5倍を超える1500万ウォンが集まった。このうちの一部で募金が難しかった慶尚北道鬱陵郡(ウルルングン)の鬱陵高校と唯一の小学校である京畿道龍仁市(ヨンインシ)の杜倉小学校を支援した。ソ・カヨン副会長(18)は「日本軍『慰安婦』として連れていかれたハルモニが、私たちと同じような年齢で苦難に遭ったので、一層関心が強いようだ」として「今でも希望する学校が多く、今後も建設運動を続けるだろう」と話した。梨花女子高の歴史教師ソン・ファンチョル氏は「少女像建設という一つの目標のために、全国の生徒たちが学校の塀を越えて連帯する難しい仕事をやり遂げた」と話した。1999年に作られた“握斧”は、人類最初の道具である握斧で、世の中の誤ったものを壊し正そうという意味を込めている。