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[寄稿]ベトナム戦争民間人虐殺事件、市民法廷国家賠償 ・特別法制定へ

登録:2017-04-09 20:36 修正:2023-02-14 09:44
民主弁護士会の「ベトナム訴訟」
1968年2月12日、韓国軍海兵第2旅団1大隊1中隊員たちがフォンニィ・フォンニャット村で行った後発見された遺体を米軍兵士が収拾している。当時村に進入した米軍上兵ボンが撮影したものだ=資料写真//ハンギョレ新聞社

 妄言に明け暮れる日本の政治家たちに「“慰安婦”という戦争犯罪を忘れるな」と私たちは言うが、実際、忘れないということは難しい事だ。記憶しなければならない事が自分の行なったむごたらしい事なら一層そうである。暗い過去から顔を背けないためには意識的な努力が必要だ。ドイツの首都ベルリンの真ん中には2711個の「ヨーロッパで虐殺されたユダヤ人記念碑」が立っていて、ベルリン市民は毎日その碑と向い合う。 戦犯国家ドイツが忘れないために傾ける努力である。

 ベトナム戦争期の韓国軍による民間人虐殺問題が韓国社会で公論化されてから18年近くになる。被害者の痛切な叫びが伝えられ、駐越米軍監察部の報告書など多くの証拠も確認されたが、大韓民国政府は依然として知らぬ存ぜぬで押し通している。当然謝罪も賠償もなかった。そのような中で、私たちは私たちの共同体が行なったむごたらしい事を忘れつつある。 恥ずかしい事だ。

 「民主社会のための弁護士会」(民弁)所属の弁護士たちは韓ベ平和財団と一緒に、ベトナム戦争民間人虐殺問題を扱う市民法廷を準備している。加害国の法律家が虐殺を忘れないために努力する方式だ。告白するならば、これは2000年に日本東京で開かれた女性国際戦犯法廷を重要なロ-ルモデルとしている。 日本軍「慰安婦」という戦争犯罪責任を問う市民法廷が加害国の首都東京で開かれ、この時の日本の法律家たちの努力は至大なものだった。私たちが後ろ指をさしている日本社会が18年前に行った事を、私たちは今ようやく始めている。

ダナン博物館に展示されているフォンニィ・フォンニャット事件の生存者。1975年頃撮った写真だという説明が付いている=資料写真//ハンギョレ新聞社

ベトナム民間人被害者が原告として登場
「被告大韓民国」を相手取った訴訟につなげる
2018年はフォンニィ・フォンニャット虐殺50周年
日本が 18年前やった事を今ようやく開始

 市民法廷は国家賠償訴訟の形態で成される予定だ。ベトナム戦争当時韓国の軍人が交戦相手ではないベトナム民間人を不法に殺したり負傷させたりしたならば、大韓民国政府は当然、軍人(公務員)の行なった不法行為の責任を負わねばならない。即ち、この市民法廷はベトナム戦争民間人虐殺の被害者が原告、大韓民国が被告になって、加害国の首都ソウルで大韓民国の責任を問う法廷だ。

 市民法廷はその名の通り市民が作る仮想の法廷だ。市民法廷で判決が下されたからといって何らかの司法的効力を持つわけでもない。それで「出来レースの演劇だ」とけなす人もいるだろう。しかし今回の市民法廷は違う。市民法廷以後に大韓民国を被告とする実際の国家賠償訴訟を提起する予定であり、市民法廷で使われた訴状と証拠はそのまま裁判所に提出する訴訟資料となろう。国防省が虐殺事実を否認し続けている状況で、韓国軍による民間人虐殺の有無について司法の判断を初めて求めるのだ。もし大韓民国の裁判所が虐殺事実を認める判決を下すならば、もはや韓国政府は公式的真相調査をこれ以上避けることはできなくなる。

 このような市民法廷及び国家賠償訴訟は、究極的には特別法制定に進むべきだと考える。被害者が個別に提起する訴訟は、少なくとも5千名以上の被害者がいると推定されるこの問題の解決策にはなり得ない。韓国がまず「ベトナム戦争期の民間人犠牲事件等に関する真相糾明特別法」を国会で可決して責任ある公式機構を作り、この機構がベトナム政府と協力して民間人虐殺に対する公正な調査を進める方式を想像してみる。以後、両国政府の承認した共同報告書発刊と韓国の国家指導者の謝罪、法的賠償と進んでいかなければならない。私たちは日本とは異なるべきではないか。

イム・ジェソン弁護士//ハンギョレ新聞社

 市民法廷で扱う虐殺のうちの一つがフォンニィ・フォンニャット事件だ。1968年 2月12日朝、韓国軍青龍部隊(海兵第2旅団)がフォンニィ・フォンニャット村で 74人を殺した事件。大部分が女性と子供だった。この18年間、韓国市民社会は「ごめんなさい、ベトナム」の運動を進める中でフォンニィ・フォンニャット村の生存者と持続的に交流をしながら関連の証拠も確保してきた。フォンニィ・フォンニャット虐殺の生存者を原告とする訴状には、このような18年間の運動が盛り込まれるだろう。

 2018年はフォンニィ・フォンニャット虐殺50周年になる年だ。その歳月の間、フォンニィ・フォンニャット村の人々は同じ日の同じ時間に家々が法事を行なってきた。50回目の法事の席には、市民法廷判決文をベトナム語に翻訳してお渡ししたいと思っている。これが私たちが忘れないための方式だと、その方たちに頭を下げて申し上げたい。

イム・ジェソン弁護士(民主社会のための弁護士会・韓ベ平和財団理事)

※韓ベ平和財団後援口座: KB国民銀行 878901-00-009326 韓ベ平和財団(お問い合わせ : +82-2-2295-2016) 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2017-04-07 22:10

http://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/789838.html訳A.K

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