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「ポケモンGOのおかげで町の遺跡を知りました」

登録:2017-02-03 11:09 修正:2017-02-03 15:38
ポケストップが散らばっている鐘路2~3街一帯。写真=ポケストップマップキャプチャ//ハンギョレ新聞社

 最近、ソウル西大門区(ソデムング)に位置した李韓烈(イ・ハンヨル)記念館の周辺には、携帯電話を手に握り周囲をうろついている人が多い。位置基盤拡張現実(AR)ゲームの「ポケモンGO」利用者たちだ。「ポケモン」という仮想のキャラクターを収集するこのゲームを楽しむには「モンスターボール」が必要だが、モンスターボールは「ポケストップ」で集めることができる。拡張現実の中で、この記念館はポケストップの一つに指定されている。イ・ギョンラン館長は「数日の間に記念館の前を行き来する人がぐんと増えた」と言い、「記念館が建てられてから10年たったが、(民主化学生運動化の)李韓烈烈士は知っていても記念館の存在は知らない人が多かった。ポケモンGOを通じて記念館の存在が広く知られれば良い」と話した。

 ポケモンGOのゲームが爆発的人気を集めるなか、ゲームに利用される歴史遺跡も一緒に関心を引いている。ポケモンGOの開発会社ナイアンティックは、ポケストップを指定するとき歴史的建築物、屋外の壁画のような安全で大衆のアクセスが可能な場所などを選んだと知られている。歴史的に意味のある場所がポケストップに多く含まれることで、遺跡の多い鐘路区(チョンノグ)はポケモンGOの利用者の間で「聖地」として浮上した。実際、鍾路2街から3街の間には、銅像の多いタプコル公園から崔時亨(チェ・シヒョン)(東学第2代教主)の殉教跡表示石、6・10独立万歳運動三唱跡表示石まで、数十個のポケストップがある。ポケモンGOの利用者たちは「町の歴史遺跡を再発見している」と証言した。ソウル弘恩洞(ホンウンドン)に住むキム・チョルヒョンさん(38・仮名)は、最近ポケモンGOをしていて町内で朝鮮時代の文人・鄭チョルの詩碑を発見した。普段の通勤路にあったにもかかわらず、存在すら知らなかったというキムさんは「2年間毎日行き来した道だった。ゲームがなければずっと知らなかっただろう。周りにも『ポケモンGOのおかげで町を見直すようになった』と言う人がかなりいる」と話した。大学生のオ・タククンさん(25)も、ポケストップを探しながら朝鮮戦争の際に激戦が行われた「104高地」の存在を知った。オさんは「ポケストップの地図の中で104高地戦跡碑を見て、好奇心からどんなところなのか検索してみた」とし、「暖かくなったら訪ねたい」と話した。

(左)ポケストップに指定されたソウル西大門区の李韓烈記念館。写真=李韓烈記念事業会提供。(右)ポケストップに指定されたノ・スソク烈士追悼碑。写真=ノ・スソク烈士追悼事業会提供//ハンギョレ新聞社

 ポケストップを活用して広報に取り組んだ博物館もある。慶尚南道金海(キムヘ)国立博物館は、先月31日「金博(国立金海博物館)にいらっしゃい。ポケストップが多いです」という内容のツイッターを上げた。博物館内外部には8~9カ所のポケストップがある。韓国民俗村もツイッターを通じ、民俗村に散在しているポケストップの地図をリツイートした。金泳三(キム・ヨンサム)政権時代に民主化運動で亡くなったノ・スソク烈士追悼碑もポケストップに指定されて関心を引いている。ノ・スソク烈士追悼事業会のクォン・ヒョンジュン事務局長は「追悼碑があってもどんな意味なのか知らない人が多かったが、ポケストップに指定されてノ・スソク烈士について知る人々が増えると思う」と話した。

コ・ハンソル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/781101.html 韓国語原文入力:2017-02-02 22:06
訳M.C(1601字)

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