本文に移動

黄教安首相、セウォル号捜査を阻み人事報復した

登録:2016-12-16 11:20 修正:2016-12-19 16:56
海洋警察艇長「過失致死」適用できないよう外圧 
「当時捜査チームは立ち上がる状況だった」 
捜査ライン全員左遷…黄首相「事実ではない」
黄教安首相が国会本会議で追加補正予算案処理のため施政演説をしている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行が法務部長官だった2014年4月、セウォル号沈没現場に最初に出動した海洋警察123艇長に対し、乗客救助失敗の責任を問い処罰(業務上過失致死適用)しようとしていた検察に、事実上捜査ができないよう長期間にわたり外圧を行使していたことが明らかになった。これはセウォル号惨事当日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の行跡と関連して「7時間疑惑」が提起されていた状況で、海洋警察の救助失敗まで浮上して政府の責任を問う世論が激化することを憂慮したためとみられる。黄代行はまた、業務上過失致死の適用を強力に主張した「捜査ライン」の検察幹部を翌年の定期人事で全員左遷させ「人事報復」したという疑惑も受けている。

 当時法務部と検察に勤務していた複数の関係者は15日、ハンギョレ記者と会って「人命救助に失敗したキム・ギョンイル元123艇長に対して、7月末に業務上過失致死で逮捕状を請求しようとしたが、法務部が絶対にだめだ、(業務上過失致死)を除けと大騒ぎして結局令状に入れられなかった。法務部は起訴を控えた10月初めまで「業務上過失致死だけは認めない」という立場を頑強に守った。これは黄代行の方針だという話を法務部幹部から聞いた」と話した。黄代行はセウォル号惨事の直後である4月28日、国会に出席して「迅速・徹底した真相究明」と「積極的な法適用」を確言したが、裏では検察の捜査を阻んでいたわけだ。

ファン・ギョアン、「セウォル号」検察の捜査に不当な外圧・人事報復//ハンギョレ新聞社

 当時の状況に詳しい検察関係者は、黄代行のこうした方針に反発して「光州(クァンジュ)地検の捜査チームが立ち上がる状況だった」と伝えた。ビョン・チャンウ光州地検長は、法務部の外圧が続くと「業務上過失致死を除いて起訴するなら地検長を変えてしろ」として「辞意」を法務部と大統領府に伝えもした。検察の別の関係者は「法務部が捜査初期からどれほどひどくタックルをかけたかは、海洋警察押収捜索(6月5日)でキム元艇長の起訴(10月6日)までにかかった時間を見ればわかる」と話した。

 捜査チームはセウォル号事件に対する世論の関心が多少静まった10月初め、キム元艇長を業務上過失致死で起訴することができた。キム前艇長は昨年11月、大法院(最高裁)でこの容疑で有罪が確定した。しかし、ビョン・チャンウ地検長ら当時光州地検の指揮部と最高検察庁の指揮ラインは翌年1月の検察定期人事で一斉に左遷された。このために検事たちの間では、黄代行の「報復人事」という解釈が広がっていた。

 検察では黄代行の不当外圧も特検捜査の対象に含めなければならないという意見が出ている。検察のある関係者は「政府の責任が大きくなることを恐れた結果、業務上過失致死の適用を阻んだ黄代行の行為は職権乱用に該当する」として「特検がセウォル号部分も捜査することになっているだけに、黄代行の外圧が大統領府の指示によるものだったかどうかも明らかにしなければならない」と話した。

 これに対して黄権限代行は、キム・グァンス法務部広報官を通じて「当時捜査に外圧を行使したという主張は事実でなく、捜査ライン幹部に対する人事報復主張もまた事実でない」と明らかにした。

カン・ヒチョル、キム・ジョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/774906.html 韓国語原文入力:2016-12-16 08:38
訳J.S(1584字)

関連記事