12日、ソウル市庁前のソウル広場と光化門(クァンファムン)広場一帯に「朴槿恵(パク・クネ)退陣」のスローガンが響き渡った。主催側は午後6時過ぎに「100万人が集結」した(警察推算23万人)と発表した。今回の集会には、2008年の米国産牛肉輸入反対集会の70万人を上回り、1987年6月9日、延世大学生の李韓烈(イ・ハンヨル)烈士の葬式の100万人以来、29年ぶりに最大規模の人が集まった。
制服を着た中高生やベビーカーを押す家族連れの姿も目立ち、思い思いのプラカードや旗を持った参加者たちが三々五々集まり、100万という巨大な人の波を作り出した。警察が最後の非常線を張った景福宮(キョンボククン)駅前の内資洞(ネジャドン)交差点まで人々が集まり、「第1線からの後退」さえも拒みつづけている大統領府まで、市民の怒りの声が届きそうな勢いだった。
午後2時からソウル市内21カ所で開かれた事前集会から、雰囲気は熱く盛り上がっていた。光化門広場ではキム・ジェドン氏が市民の自由発言を聞いて答えるトークコンサートを開いた。数万人(警察推算1万人)の群衆が世宗大王像以南の光化門広場と両側の道路を埋め尽くした。光化門広場に設けられたセウォル号焼香所には、訪れた市民たちで長蛇の列ができていた。
公州(コンジュ)から上京した小学校5年生は「大統領は国民が与えた権力をチェ・スンシルに渡しました。だから、(私たちの)大統領ではありません。こんなことを見るために、小学生になったのかと思うと、自己嫌悪に陥ってしまいます。大統領と親しい人や財閥だけが幸せな国は先進国ではありません。朴大統領は、大統領になったことが辛くて自己嫌悪を覚えるのなら、(大統領を)やめてください」と話した。これにキム・ジェドン氏は「8歳(数え年、韓国の小学校入学年齢)になったら、大統領(選挙への)投票権を与えることを提案します。それがだめなら、少なくとも高校1年生には投票権を与えるべきです」と答えた。
大学路のマロニエ公園では「大学生同行実践団」や「ソウル青年ネットワーク」、各大学学生会の連合で「青年学生総決起大会」が開かれた。数万人が集まる中、(警察推算1万人)彼らは同日午後2時30分から市庁前広場に向けて行進を始めた。五方色のひもで縛られた鶏の仮面をかぶった人や、セウォル号(事故)でまだ引き揚げられていない9人を形象化した造形物、大型の日本軍慰安婦少女像など、様々な人たちが行進に参加した。同じ時刻、ソウル市庁前の広場では民主労総が開催した全国労働者大会が、6万人(警察推算)が集まる中で開かれた。
制服を着た中高生の姿も目立っていた。「青少年希望」からは約2千人が塔骨(タプゴル)公園前に集まって時局大会を開いた。多くの生徒たちが集会に参加するために募金したお金で借り切ったバスに乗って上京した。
午後4時、ソウル広場で行われた民衆総決起本大会では、セウォル号の引き揚げと真相究明、ペク・ナムギ氏死亡の責任者の処罰、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備の阻止など、様々な懸案に対する声が噴出した。ハン・サンギュン民主労総委員長は、チョン・ヘギョン民主労働組合総連盟副委員長が代読した獄中書信で、「今日は不法権力や私的権力を公式権力である国民の権力が審判する日であり、民衆が犬や豚ではなく、主であることを示す偉大な民衆抗争の日だ」と明らかにした。
行進隊列の一部が大統領府に通じる要所である景福宮駅前の内資洞交差点まで進出すると、雰囲気はさらに盛り上がった。光化門広場ではタレントのキム・ミファ氏やキム・ジェドン氏、歌手のクライング・ナットなどが舞台に上って市民と行動を共にした。