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中国同胞とのコミュニケーションが必要な都市再生事業

登録:2016-11-10 01:47 修正:2016-11-10 06:43
「地域リーダーの養成」中国語のボランティア養成教育をソウル市に提案 
中国同胞が40%…都市再生事業の最終目標はコミュニケーション 
中国同胞たち「ごみ問題・昼酒文化・犯罪という誤解が残念」
中国同胞8人が先月29日、ソウル市九老区九老洞の事務所でソウル市が後援し加里峰都市再生支援センターが主管する「中国同胞講師養成プログラム」に出席し、最初の授業を聞いている//ハンギョレ新聞社

 先月29日午前10時、ソウル市九老区(クログ)九老洞(クロドン)の中国同胞(中国朝鮮族・朝鮮系中国人)のための保険会社(キョンジンアセット)事務所。約束した時刻になっても人々は集まらなかった。8人集まるまでにさらに40分かかった。同社の新道林(シンドリム)支部支店長であり、社団法人在韓同胞総連合会事業本部長であるイ・ソン氏(36)は「中国同胞は韓国人よりも相対的にのんびりした性格が多い。時間の約束を正確に守る方ではないが、これも文化の違いだ」だと説明した。

 彼らが集まった理由は、ソウル市が九老区加里峰洞(カリボンドン)一帯の都市再生事業の一環として推進する「中国同胞講師養成プログラム」を聞くためだ。中国同胞を対象に、中国語を教える講師として養成するための個別化授業で、12月3日まで毎週土曜日に2時間ずつ6回実施される。中国語ができる彼らが話法技術、プレゼンテーション方法、言語の講義をするときの姿勢など、教師としての「技術」を中心に勉強する。

 イ氏はソウル市にこの事業を提案して約400万ウォン(約36万円)の支援を受けた。イ氏は「韓国住民と中国同胞が住む町。同胞たちも韓国人のために中国語のボランティアをできるようにし、このような同胞たちが中間リーダーとして成長して地域社会に貢献することを願って公募事業を申請した」と説明した。

 加里峰地域はこの30年間、産業衰退(1990年代以降)、都市環境整備区域指定(2006年)、再整備促進地区決定(2010年)、ニュータウン区域の解除(2014年)などの浮沈を経験した。2014年9月にようやくソウル市が都市再生事業地域に選定した。昨年第3四半期基準のソウル市の統計によると、全人口1万9287人のうち韓国人1万1468人、外国人7819人が居住している。外国人の98.7%が中国同胞または中国人であり、ニュータウン解除後、中国同胞の流入はさらに増えている。

 中国同胞が移住しはじめたのはもう20年あまり前のことだ。しかし、いまだに互いに「水と油」のように感じている。ごみの従量制や分別になじみのない同胞は、韓国住民から後ろ指を指された。昼酒や食事の際の飲酒が日常である同胞の文化も理解を得るのが難しかった。犯罪のイメージもある。中国同胞のキム・チュングァンさん(38)は「韓国人たちが中国同胞にならってごみをどこにでも捨てたりしている。町の人が皆一緒に努力すべきであって、同胞のせいばかりにしてはいけない。尊重されたい」と話した。

 2年前に韓国に来たキム・ナさん(27)は「私の同じ年頃の友達は韓国に適応するのは難しくない。もう肉体労働のために来る同胞はいない」と言い、中国同胞に対するもう一つの固定観念を否定した。キムさんは韓国に定着した同胞の子どもたちを対象に、中国語を講義している。この日の特別講義を行った大林(テリム)国際学院のムン・ミン院長は、「20年あまり中国同胞として韓国に住んで、韓国社会の硬直した文化、画一化された考え方のために抑圧感を感じたことが多い」と話した。

 このような背景から、加里峰都市再生事業の主な課題は、中国同胞と韓国人住民の間の理解とコミュニケーションだと指摘される。加里峰再生事業を総括計画したペ・ウンギュ教授(中央大学)は「ここは韓国に来た中国同胞が初めて来るところという特徴がある。町に関心を持つよりは、目の前の暮らしがひっ迫している人々であり、都市再生が容易ではない。ビザ問題の解決を含め、韓国に定着しようとする中国同胞とのコミュニケーションがもっと必要だ」と話した。

文・写真/チェ・ウリ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/769349.html 韓国語原文入力:2016-11-08 21:56
訳M.C(1838字)

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