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「古里3号機使用済核燃料水槽で火災が起きれば最大2400万人が避難」

登録:2016-10-31 22:39 修正:2016-11-01 07:24
カン・ジョンミンNRDC研究委員 
米国原子力規制委の大気拡散コードで分析 
米プリンストン大フォンヒッペル教授 
「乾式貯蔵が再処理より経済的」
使用済核燃料保存水槽=韓国水力原子力提供//ハンギョレ新聞社

 古里3号機の使用済核燃料水槽で火災が発生すれば、最大2400万人が避難しなければならなくなるという分析が出てきた。

 米国天然自然保護委員会(NRDC)のカン・ジョンミン先任研究委員は31日、国会で開かれた「使用済核燃料はどれほど危険なのか」討論会で「米国原子力規制委員会(NRC)が公認した『原発事故大気拡散放射線被爆線量評価コンピュータ コード」(HYSPLIT)で分析した結果、古里3号機の使用済核燃料水槽で火災が発生すれば、セシウム-137(Cs-137)などの放射性物質漏出により、最大被害面積は韓国全土の50%を超える5万4千平方キロメートル、避難人口は2430万人に達すると出てきた」と明らかにした。HYSPLITコードは、米国が福島原子力発電所事故の際にも適用した分析プログラムだ。

 研究チームが2015年1~12月の毎月初の気象条件を入力し分析した結果、平均的には韓国で540万人が避難しなければならず、北朝鮮で110万人、日本で790万人、中国で70万人など周辺国でも大規模被害が発生することが明らかになった。カン研究委員は「使用済核燃料をコンパクトな水槽に保存する方式は、地震・津波などの自然災害だけでなくテロ・ミサイル攻撃などによって起きうる冷却機能損失による事故のリスクが大きい。被害の可能性を減らすためには原子炉から取り出して5~6年後には乾式貯蔵施設に移し、密集貯蔵ではなく普通貯蔵方式で貯蔵しなければならない」と主張した。

米国原子力規制委員会(NRC)が公認した「HYSPLIT」コードで古里3号機火災事故時に推定される放射性物質の拡散図。赤は避難勧告値の2倍に達する地域だ=資料:カン・ジョンミンNRDC先任研究委員提供//ハンギョレ新聞社

 この日、米プリンストン大のフランク・フォンヒッペル教授は「米国原子力規制委員会が乾式貯蔵による便益が費用の10%にしかならないという報告を出したが、危険半径を80キロメートルに制限し癌による死亡者の生命価値を1995年値で計算するなど、費用を縮小計算した。それでも使用済核燃料を乾式容器に移すことにより使用済核燃料の再処理よりはるかに少ない費用で済む」と明らかにした。米国議会は2003年、国立科学アカデミー(NAS)に「使用済核燃料を5年間水槽保存した後、乾式容器に移して開放型ラックに保存する方案」を検討させ2006年に報告書が出てきたが、原子力規制委は何らの措置もしなかった。しかし2011年の福島原子力発電所事故の後、最近になって便益計算結果を出した。フォンヒッペル教授はまた「使用済核燃料の再処理は、英国やフランスなど大部分の国が稼動を中断したり中断を検討しており、原子力発電所運営国家の5分の1にしか関心を持たれない方式だ。軽水炉の原料である低濃縮ウラニウムの国際価格の下落などで経済的メリットがないためだ」と話した。

イ・グンヨン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/768133.html 韓国語原文入力:2016-10-31 17:46
訳J.S(1470字)

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