「チェ・スンシルゲート」の激浪に襲われた朴槿恵(パク・クネ)大統領の前途は険しい。国民が納得できる解決策が出ない限り、コンクリート支持層の崩壊が止まらないものとみられる。
韓国ギャラップの10月第4週の定例週間世論調査(25~27日、全国成人男女1009人対象、信頼水準95%に標本誤差±3.1%ポイント)で最も注目する点は、朴大統領を支えてきた50代以上と大邱(テグ)・慶尚北道の支持層の崩壊だ。大邱・慶尚北道の支持率は27%、50代と60代以上の支持率はそれぞれ19%と36%を記録した。「真実」も「誠意」もない対国民謝罪以降の調査分(26~27日、信頼水準95%に標本誤差±3.8%ポイント)を見ると、大邱・慶尚北道は19%、50代は17%、60代以上は28%に落ちた。
以前の状況と比べると下落の様相がはっきりしている。朴大統領就任直後の最初の調査では支持率が大邱・慶尚北道は59%、50代と60代以上はそれぞれ49%、65%だった。支持率が29%と底を打った昨年1月の年末調整騒ぎの時や、6月の中東呼吸器症候群(MERS)事態の時も、大邱・慶北地域は支持率41%を記録し、50代は30~40%台、60代以上は50~60%の支持率が動じなかった。
コンクリート支持層崩壊の最大原因は「チェ・スンシルゲート」だった。回答者は大統領職務遂行の否定的評価の理由として「チェ・スンシル、Kスポーツ、ミル財団」(38%)、「国政運営が円滑でない」(12%)、「コミュニケーションの不十分さ、あまりにも非公開だ、透明でない」(9%)、「独善、独断的、自己中心」(4%)などを挙げた。朴大統領の問題に対する対応方式も支持層の追加離脱を引き起こした。定例調査で「チェ・スンシルの国政介入疑惑」が事実であると考えた割合は77%、事実ではないだろうという見解は7%だったが、対国民謝罪以降の調査だけで見れば、それぞれ80%と6%だ。
「チェ・スンシル事態」に無気力なセヌリ党も同伴下落した。セヌリ党の支持率は先週に比べて3%ポイント下落した26%で、朴政権になって初めて共に民主党(29%)に抜かれた。セヌリ党支持者の朴大統領離れ現象も目を引く。今回の調査でセヌリ党支持者のうち、朴大統領の職務遂行を肯定評価した人は48%に止まった。昨年の1月と6月、朴大統領の支持率が底をついたときでも、セヌリ党支持者の55%以上が朴大統領を肯定評価していた。
朴大統領に対する民心離反は、改憲に対する世論にも影響を及ぼしている。改憲の必要性を問う質問に、「現行制度に問題があるため改憲は必要」(54%)という意見が「制度よりも運営上の問題で改憲は不要」(33%)より多かった。6月第4週の調査時は、それぞれ46%、34%だった。改憲の時期についても、今の政権の任期内(38%)よりも、次の政権に任せるべきだ(54%)という見解が多数だった。最も好感を持たれる改憲の方向は、4年重任大統領中心制(40%)であり、分権型大統領制と議員内閣制の好感度は各24%、16%だった。