政府と与党が18日、北朝鮮の核の脅威に対応するための「キルチェーン」や「韓国型ミサイル防衛」(KAMD)、「大量反撃報復」(KMPR)の「3軸体系」の構築時期を、当初の2020年代半ばから初めに前倒しすることにした。またセヌリ党は原子力潜水艦の早期確保を積極的に推進することを要請し、政府は慎重に検討すると述べた。
セヌリ党のチョン・ジンソク院内代表とハン・ミング国防部長官らは同日、国会で「北朝鮮の核に備える防衛力の増強に向けた協議会」を開き、このように意見集約を行ったと、セヌリ党のキム・グァンリム政策委議長が明らかにした。
政府与党は、3軸体系の早期構築のために、まず、既に事業計画が確定されているが、予算不足で延期されていた事業から繰り上げて推進する計画だ。このため、政府与党は、弾道弾早期警報レーダー2基の追加確保を来年度予算に反映させる予定であり、偵察衛星が2021~2022年に戦力化されるまでの空白を埋めるために、外国の衛星を借りる案も検討する計画だ。長距離空対地ミサイル「タウルス」の追加導入、海上作戦ヘリコプターの導入なども早期に推進する計画だ。
政府与党は、北朝鮮の新型300ミリ放射砲の脅威と関連しても、新型230ミリ多連装ロケット砲の確保時期を繰り上げると共に、サイバー空間における脅威への対応能力も早期に確保することにした。キム・グァンリム政策委議長は「戦力増強を1年ほど繰り上げるのに、2千~3千億ウォン(約185~277億円)の追加投入が必要」と述べた。
セヌリ党はまた、原子力潜水艦の早期確保を積極的に検討することを政府に強く要請した。これに対して国防部は「軍事作戦の効率性と技術的可用性、周辺国の軍事動向などを考慮し、検討していかなればならない」との立場を示した。
しかし、政府与党は、3軸体系の早期構築による戦時作戦統制権(戦作権)の早期還収については論議しなかった。ハン・ミング国防部長官は2014年10月、米国と戦作権還収の再延期に合意した後、「2020年代半ばにキルチェーンと韓国型ミサイル防御が構築されれば、戦作権の還収が行われると思う」と述べた。これに対して国防部当局者は「戦作権還収には他の条件もある。別の事案だ」と説明した。