農民の故ペク・ナムギ氏(69)解剖をめぐる議論が浮上し、肝心な事案の中心である「放水銃の関係者に対する捜査」は失踪している。ペク氏を死に至らせた公権力の乱用に対する検察の捜査を迅速に進行すべきだという声が広まっている。
昨年11月、遺族らは殺人未遂などの容疑でカン・シンミョン元警察庁長など警察関係者7人を検察に告発した。約10カ月が過ぎたが、検察の捜査は遅々として進まない。昨年12月には長女トラジ氏と宝城(ポソン)郡農民会のクォン・ヨンシク会長が告発人調査を一度受け、今年6月になってようやく当時ソウル警察庁第4機動団のシン・ユンギュン団長など警察官4人が被告発人調査を受けた。検察は、主要な被告発人であるカン前庁長と当時ソウル地方警察庁のク・ウンス庁長をいまだに調査していない。検察関係者は「関係者を呼び調査はかなり進行し、引き続き捜査中である。カン前庁長を召喚するかどうかはまだ決定されていない」と話した。
共に民主党のウ・サンホ院内代表は26日、国会で開かれた最高委員会議で「ペク氏の死を前に、誰も謝罪しなかった。検察はどのようにして死に至ったのか捜査すら行わなかった。今からでも検察はきちんと捜査に着手しなければならない」と述べた。国民の党のパク・チウォン非常対策委員長兼院内代表も「検察が今すぐすべきことは、解剖ではなく事件を徹底的かつ速やかに調査し、国家と関係者たちの責任を問うことだ」と述べた。
法的・道義的責任を負わなければならない警察組織の首長であるイ・チョルソン警察庁長は、放水銃が死因ではない可能性もあるという趣旨の発言で、遺族を憤らせた。イ庁長は26日の記者懇談会で「ペク・ナムギ氏の死因が明らかでないため解剖する必要がある」とし、「ペク氏が当初病院に入院した時は、頭皮の下に出血(くも膜下出血)があったとされていたが、昨日主治医は腎不全(腎臓機能の低下)による心臓停止で病死したと明らかにした。死因が明確でないため、解剖を通じて明確な法医学的所見を受けておくことが誤解の余地をなくす」と話した。これに対し「人道主義実践医師協議会」所属のチョン・ジンハン専門医は「ペク氏は外部の衝撃による脳出血で入院し、長期間の病院生活を経て2次的に急性腎不全など複数の病気を発病したが、腎不全で死亡したと見るのは医学的に整合しない」と反論した。
キム・ジフン、ソ・ヨンジ、オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)