登録 : 2016.09.19 02:59 修正 : 2016.09.19 15:24

北朝鮮に常駐する13の国連機関、緊急救援を要請 
「人口66万の6つの市郡に大きな被害 
約3万7千棟が浸水、被災者12万に近い 
水因性伝染病など被害の恐れも」 

北朝鮮当局「光復以降、初めて見る大災害」 
9カ国の外交官に支援訴える 

韓国側の民間団体の募金、接触申請に 
韓国政府「北朝鮮の要請が必要」 
前野党代表「核とは別に迅速に救護すべき」

北朝鮮の水害の現況(資料:北朝鮮常駐国連機関による共同報告書)//ハンギョレ新聞社
 北朝鮮の咸鏡北道北部地域の水害が深刻であることが確認され、5回目の核実験以後、対北朝鮮制裁に傾いていた国際社会の雰囲気に変化の兆しが見えている。北朝鮮に常住する国連傘下の13の人道支援機関は共同現地調査報告書を公開し、国際社会に緊急支援を呼びかけた。韓国国内の対北朝鮮人道支援団体も水害支援金募金運動を開始する一方、正確な実態の把握のために北朝鮮と接触する意向を示した。北朝鮮側の公式支援要請がないとして、北朝鮮の被害に目をつぶってきた韓国政府の態度に変化があるかが注目される。

 北朝鮮当局が「解放(光復)以降の気象観測史上、初めて見る過酷な大災害」と規定した今回の水害は、8月29日から31日まで第10号台風ライオンロックが咸鏡北道北部地域で低気圧帯と重なったことによる集中豪雨で発生した。特に、30日から31日の夜にかけて約4時間にわたる大雨で、豆満江(トゥマンガン)の水位が普段より6~12メートル高くなり、洪水による被害が大きくなった。

 国連人道支援機関が16日に公開した「咸鏡北道の洪水被害についての共同報告書」によると、被害が集中した所は会寧(フェリョン)市と近隣の穏城(オンソン)、茂山(ムサン)、延社(ヨンサ)郡など6つの市郡だ。これらの地域の人口は66万7千人を超える。同報告書は北朝鮮当局者と世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)など北朝鮮に常駐する13の国連人道支援機関の代表団など22人が今月6~9日、被害地域を視察してから作成したものだ。

今月7日、北朝鮮咸境北道会寧市で洪水で倒壊した家の前で、ある女性が茫然した表情を浮かべている=北朝鮮常駐国連人道支援機関の共同調査団提供//ハンギョレ新聞社
 報告書によると、現在まで確認された人命被害は死亡(138人)、行方不明(398人)など500人を超える。倒壊した住宅約5740棟を含め、7千棟以上が浸水または破壊され、11万8千人以上の被災者が出た。特に、豆満江沿岸の土堤防の裏にある会寧市江岸(カンアン)洞は川の水が氾濫し、住宅がすべて倒壊したと調査団は伝えた。水害が発生する前、江岸洞には1177世帯4524人が住んでいた。

 収穫期を控えて農耕地が浸水し、米やとうもろこしなどこの地域の主要作物は、収穫が不可能な状況というのが調査団の評価だ。同報告書は北朝鮮当局の統計を引用し「水害以前にも被害地域の人口の78%は当局の食糧配給に依存してきた」として、事態の深刻さを喚起した。

 洪水や土砂崩れで道路と橋梁が至るところで浸水・破壊され、茂山郡と延社郡など被害が深刻な一部地域はいまだ接近すら不可能な状態だ。

 調査団は、報告書で「被害地域は10月中の夜の気温が氷点下3度まで下がるところ」だとして、「すでに下痢など水因性伝染病と急性呼吸器疾患の感染の恐れがあり、本格的に寒くなる前に緊急支援が切実な状況」だと訴えた。

北朝鮮が最悪の豪雨によって発生した咸鏡北道地域の水害復旧作業に全ての力量を動員しようと連日呼びかけている。労働新聞は今月17日付で「咸鏡北道北部の被害地域の中で大きな被害を受けた茂山郡の人民が被害復旧戦闘に力を合わせて奮闘している」と報じた。写真は、洪水被害地域の復旧建設に投入された北朝鮮の軍人/聯合ニュース
 これに基づき世界食糧計画などは、子供や妊婦、老人など、脆弱階層への支援のために確保しておいた支援物品を被害地域にまず送ることにした。世界保健機関も14日、医療支援のために17万5千ドルを緊急投入することを決定した。国連側は緊急支援が必要な人員が14万人以上と推定している。

 北朝鮮当局も、最近被害状況を公開するなど、被害地域への支援・復旧に努めている。金正恩(キムジョンウン)労働党委員長の主力事業である平壌(ピョンヤン)黎明通り工事現場の労働者たちまですでに水害地域に派遣された。北朝鮮外務省は14日、平壌に駐在するモンゴルやベトナムなどアジア9カ国の外交官を招待して「情勢報告会」を開き、水害 による被害の復旧に向けた支援を訴えた。

 韓国国内でも民間レベルでは対北朝鮮支援募金運動がすでに始まった。54の人道支援団体の集まりである対北朝鮮協力民間団体協議会(北民協)は緊急会議(5日)と常任委員会(9日)を開き、北朝鮮水害支援のため2億ウォン(約1800万円)を募金することを決めた。北民協のクヮク・ヨンジュ運営委員長は18日、「今月5日の緊急会議直後に被害状況を確認するため統一部に北朝鮮側の民和協との接触を申請したが、いまだに回答がない」としながら、「接触すれば被害規模や必要な物品だけでも確認できるだろうが、(何も確認できず)もどかしい」と話した。南北交流協力に関する法律施行令によると、政府は接触申告書を提出してから7日以内に許可の可否を決定し、通知しなければならない。朴槿恵(パククネ)政権は北朝鮮の4回目の核実験(1月6日)以降、北朝鮮との接触を事実上禁止している。

 統一部のチョン・ジュンヒ報道官は同日、「水害支援など緊急救護のための人道支援については、被害状況や緊急性、必要性などとともに、北朝鮮当局の公式的な要請などを総合的に考慮しながら検討していかなければならないと考えている」として、従来の方針を繰り返した。

 しかし、共に民主党の金鍾仁(キムジョンイン)前非常対策委員会代表は、フェイスブックを通じて「最近、核兵器の開発が北朝鮮指導部に対する警戒と敵対感をも呼び起こしている状況だが、これとは別に人道主義に立脚し、国際機関と協力して迅速な救護支援をしなければならない」と主張した。朴智元(パクジウォン)国民の党非常対策委員長もフェイスブックに「少なくとも人道支援として余剰米でも(北朝鮮)に支援しようと言ったら、また核実験やミサイル費用を支援するのかと言われるだろう。しかし、私たちは発想の転換が必要だと信じている」と書いた。

チョン・インファン、イ・セヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2016-09-18 19:01

http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/761571.html訳H.J

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