原文入力:2009-07-29午前06:42:19
量的成長に代えて社会インフラ・意識向上に重心
5千億に肉迫した支出 順次減り昨年3500億
“経済危機で苦しい隣人多いが…”憂慮の声
クァク・ジョンス記者
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国内企業社会貢献の最大‘大手’である三星が、社会貢献戦略の全面修正に出た。三星は既存の社会貢献支出拡大を通じた量的成長戦略を捨てる代わりに、社会インフラや意識を一段階高めていく‘社会革新家’としての役割に重点を置く計画だ。
三星奉仕団は最近グループ内外の社会貢献専門家たちで研究チーム(責任者 チェ・ファンジン韓神大教授)を構成し、新しい社会貢献戦略と戦術用意のための作業に本格着手した。三星はグループ社会奉仕団創立15周年の10月19日までに最終案を確定する計画だ。奉仕団のミン・ギョンチュン専務は28日「社会の真の改革と変化を引き出し社会インフラと意識を一段階高めることに重点を置く方針」として「企業もNGOのように社会革新家になることができる」と強調した。三星はタバコと賭博のない霊安室文化を定着させた三星病院を代表的成功事例に挙げている。
三星はまた既存の社会貢献事業がデパート式展示に終わったという評価を下し、今後は選択と集中を通じた差別化戦略に努める方針だ。三星経済研究所のある専任研究員は「三星役職員さえ社会貢献活動が過度にデパート式という認識が多い」として「社会貢献の戦略的方向性を明確にし代表社会貢献活動プログラムを確実に実施しなければならない」と話した。三星が20年間継続してきた‘三星子供の家’のような代表事業も再評価されている。子供の家建設事業は貧困の相続を防がなければならないというイ・ゴンヒ前会長の特別指示で始まった事業だ。奉仕団の高位役員は「全国に50ヶ余りを作り、最高の施設とプログラムで運営しそれなりの成果もおさめたが、結局他の子供の家にとっては遠い国の話にならざるをえない限界があった」と評価した。
三星の戦略修正は昨年の秘密資金事件裁判以後、グループ内部の再評価の動きに伴ったものだ。三星社長団協議会では毎年数千億を使うのに、実際にグループが危機に直面した時には何の効果もなかったのではないかと、量的成長戦略に対する疑問が提起された。グローバル金融危機によってグループの非常経営突入と大きな財源がかかる大規模事業の仕上げで持続的な規模拡大が難しくなった点も影響を及ぼした。ミン・ギョンチュン専務は「三星病院癌センターと美術館リウム建設,文化財団の美術品購入,奨学財団設立,大学支援など社会インフラ拡充次元で推進した大きい事業が大部分終わり、社会貢献規模を継続拡大することは難しくなった」と説明した。
だが三星の戦略修正に対する憂慮の声もある。先ず社会貢献支出縮小に対する心配が大きい。三星社会貢献支出は90年代末から2007年まで年平均30%以上増加傾向を維持し、一時は年間5000億ウォンに肉迫した。これは現代車,エスケイ,LGの5~10倍に達する規模だ。三星はすでに昨年社会貢献支出を3500億ウォン程度に減らした。これは最高値であった2005年の4926億ウォンに比べ30%も激減したのだ。三星は今年は社会貢献予算自体を公開しなかった。代わりに純粋社会福祉支出だけで1200億ウォンと明らかにした。これまた社会福祉支出が最も多かった2006年の2300億ウォンに比較すれば50%も少ない。
社会福祉界のある人士は「三星が包装をどのようにしようが、結局核心は社会貢献支出縮小ではないか」として「現在、経済危機によって苦しい隣人が増え企業支援要請が大きくなっている現実と相反する」と指摘した。他の大企業のある社会貢献担当者も「年末の隣人助け合い寄付額も三星が行うのを見て決めるのが財界の現実」として、「企業社会貢献の最大大手である三星の影響が少なくないだろう」と展望した。またこの間、三星が困難に陥った経営権不法承継裁判が仕上げ段階に入り、これ以上世論の顔色をうかがう必要がなくなったという考えではないかという指摘もある。
一部では三星が社会革新を語る前に内部革新にさらに努力しなければならないという注文もある。三星が社会責任経営の基本である法的・倫理的責任をきちんと守らないのに、社会改革を語っても共感を得るのは難しいということだ。社会貢献情報センターのクァク・テソク所長は「社会責任経営はもう選択ではなく必須」として「国内企業も経済的成果だけでなく社会責任経営を通じて企業価値を創り出すグローバル先進企業の戦略を見習わなければならない」と話した。
クァク・ジョンス大企業専門記者jskwak@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/368388.html 訳J.S