高齢者20人に1人の割合で、ここ1年間に自殺衝動があったという調査結果が出された。また、高齢者の86%が自分の社会的地位を中間以下の低い層と認識していることが分かった。このような主観的認識がストレスや自殺衝動に影響を与えると分析されている。
4日、「保健社会研究」最新号に報告された「高齢者の階層認識が自殺衝動に及ぼす影響とストレスと主観的健康認識の二重媒介効果」(延世大学ナム・ソクイン教授チーム)によると、65歳以上の高齢者1916人のうち103人(5.4%)が過去1年間に自殺衝動を経験していたことが分かった。今回の調査は、2012年に韓国医療パネル基本調査および成人世帯員を対象とする付加調査の資料をもとに行われた。ナム・ソクイン教授は「20人に1人以上は自殺したいと考えたということを意味し、自殺衝動がごく少数の高齢者に例外的に表れるのではなく、相当なレベルでの普遍的な問題として考えるべきであることを示している」と説明した。
また、高齢者は社会的地位を10区分に分けたとき、86.3%が自分を下から1〜5区分に属していると認識していた。これは「主観的階層認識」を調査したもので、客観的指標に比べより健康や心理状態に密接な関連がある指標とされる。報告では「英国の高齢者の主観的階層認識の研究結果(2008年)によると、男性高齢者の36.0%、女性高齢者の38.4%が自分の位置を5区分以下であると認識している」と指摘した。また、調査対象者の14.4%が高リスクのストレス集団(ストレス尺度が平均2.4点以上)に該当し、16.1%が自分の健康状態を「非常に悪い」または「悪い」と答えている。
そのうえで「高齢者の主観的階層認識が低いほど、ストレスレベルが高くなると分析される。またストレスレベルが高いほど、自分の健康が悪いと思うようになり、自殺衝動の可能性も高くなるという事実を確認できる」と報告した。さらに「高齢者の主観的階層認識を向上させるための積極的な所得補填策として、高齢者の雇用事業の活性化などが必要だ」と提案した。
統計庁の「2014年死亡原因統計」によると、高齢者の自殺は全人口に比べ1.4〜2.9倍高いと集計されている。人口10万人当たりの自殺死亡率が27.3人であるのに対し、60代は37.5人、70代は57.6人、80代以上は78.6人にのぼる。経済協力開発機構(OECD)国家の中でも、韓国の高齢者の自殺死亡率は12年にわたり1位となっている。
韓国語原文入力:2016-08-08 21:51